【重症度別】がん・心筋梗塞・脳梗塞でかかるお金 政府は窓履負担3割対象者拡大へーー
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■集中治療室での管理に治療費がかさむ疾患も

 

【乳がん】

 

「自覚症状があってから初回受診するまでの期間と、ステージIII、IVと診断される患者さんの割合を調査しました。その結果、初回受診までの期間が3カ月未満の患者さんで、ステージIII、IVだったケースは10.3%でしたが、3~12カ月の患者さんは18.2%、12カ月以上の患者さんは66.7%と増えていきました」(尾崎さん)

 

早期発見の重要性がよく現れているデータといえるだろう。

 

「胸のしこりを触診で見つけられるのは2cmほどから。触診では見つからない病変を見つけるため、40歳以上の人は2年に一度、マンモグラフィー検査を。乳腺組織が厚い40代の人は超音波検査を組み合わせましょう」(尾崎さん)

 

【心筋梗塞】

 

「心臓に張り巡らされた冠状動脈が詰まる病気。典型的な症状は胸を締め付けられるような痛みや冷や汗などです」(尾崎さん)

 

4段階で最も重症のケースでは、1入院あたり3割負担で103万161円と高額に。

 

「がんと異なり、心筋梗塞の場合は高齢者であっても諦めずに治療します。また、CCUという重症冠動脈疾患に特化した集中治療室での管理が必要なため、治療費も高額になります」(上さん)

 

【脳梗塞】

 

脳の血管が詰まり、血流が途絶えることで、脳細胞にダメージを与えてしまうのが脳梗塞だ。重症度は、意識レベルによって判断されている。4段階で最も軽症であっても、1入院あたりの費用は3割負担で45万円ほど。

 

「血栓を溶かす薬や、血液をサラサラにする薬などで治療するほか、最近では、カテーテル治療を行うケースも増加しています」(尾崎さん)

 

リハビリが必要な場合は、入院期間も長くなる。

 

「家族に既往歴があるほか、高血圧や肥満、糖尿病の人は高リスクなので、日ごろから内科治療でコントロールしましょう」(上さん)

 

医療技術の進歩により、大病を患っても命を守れるケースは増えている。予防・早期発見の心がけは、その可能性を高めるだけでなく、家計を救ううえでも極めて重要なのだ。

 

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