《約50日ぶりの知事室です。再びこの場所から兵庫県、そしてお一人お一人の県民の皆さまのための県政に取り組めることに、心からの御礼を申し上げます。いかなるときでも「感謝」と「謙虚さ」を常に持ち続け、全身全霊で頑張っていきます。どうぞよろしくお願いいたします》
11月19日にXを更新し、こう綴ったのは斎藤元彦兵庫県知事(47)。17日に投開票が行われた兵庫県知事選挙で、再選を果たした斎藤氏はこの日、2期目をスタートさせていた。
「今年3月、県の元幹部職員である男性が、斎藤氏によるパワーハラスメント疑惑を告発しました。斎藤氏はこの告発を “公益通報の保護対象には該当しない”と自ら判断し、調査結果を待たずに男性に対して停職3カ月の懲戒処分を行って問題に。
真相を解明するため、県議会は6月に百条委員会を設置しましたが、7月に元局長の男性が自死とみられる形で亡くなりました。県政を混乱させたとして、9月には県議会で斎藤氏の不信任決議が可決され、失職。出直し選挙では、SNS戦略などが功を奏し、支持を拡大。元尼崎市長・稲村和美氏(52)に、14万票近くの差をつけて当選しました」(全国紙記者)
110万票以上を獲得し、多くの有権者から支持されたことは事実だが、いまだに残るのはパワハラ疑惑だ。百条委員会が10月に公表した県職員約9700人を対象に実施し、6725件の回答を得たアンケートによると、パワハラを「目撃(経験)等により実際に知っている」と答えた職員は140件、「実際に知っている人から聞いた」と「人づてに聞いた」はあわせて2711件にのぼる。
百条委員会による解明作業が続くなかでの斎藤氏の再選を県職員はどうとらえているのだろうか。再選の翌日に40代男性の県職員に話を聞いた。
――斎藤氏が再選されましたが。
「知事はわれわれの上司にあたるので、どなたが知事になられたとしてもわれわれ公務員は、上司の指示にしたがって、粛々と仕事をするだけです。なにも変わりません。また、斎藤知事と近しい部署ではないので、これまでもあんまり影響とかは感じませんでした」(40代男性)
11月19日、県庁で開かれた記者会見で、パワハラ疑惑に対する認識を問われた斎藤氏は、「よい県政をしていきたいという中で業務上の指導や注意を厳しくしたことはあった。これがハラスメントに当たるかは第三者委員会などで審議されることになる」と語っていた。
百条委員会が年内にまとめる予定だという調査報告書が待たれる――。