「マイナ保険証」期限切れトラブルが頻発!風邪で10割負担のケースも
画像を見る おなじみになったマイナ保険証のカードリーダー(写真:共同通信)

 

■10割負担か病気を我慢するか選択を迫られることにも

 

仮に、マイナ保険証で資格確認ができない場合、どうなるのか。保団連の調査では、〈持ち合わせていた従来の保険証で確認した〉(79.8%)、〈加入している保険組合から送付される“資格情報のお知らせ”で確認した〉(19.3%)などのほか、〈いったん10割負担してもらった〉ケースも12.7%(1087医療機関)にのぼる。

 

実際に、50代男性・会社員のDさんは、「いったん窓口で10割負担した経験がある」という。

 

「発熱があり、病院に行ったのですが、有効期限切れになっていて……。体調も悪かったので保険証を取りに戻るのもつらい。だから、いったん10割支払いました」

 

Dさんは後日、保険証を持参して返金してもらったというが、受診をあきらめる人も多いだろう。

 

「厚労省は苦肉の策として、2023年8月から“被保険者資格申立書”を導入し、窓口で必要事項を記入すれば、資格確認なしでも保険診療が受けられることにしました」(上所さん)

 

しかし、その後の調査で“いったん10割負担”の例が報告されていることから、周知が徹底されているとは言い難い。いざというときに窓口で困らないために、できることはあるのか。

 

「まず、ご自身の保険証が、今どのような状況にあるか確認しましょう。マイナンバーカードを保険証として利用登録している方は、“資格情報のお知らせ”が届いているはずです。医療機関を受診する際には、かならずマイナ保険証と合わせて持参しましょう。利用登録をしていない方は、現行の保険証の有効期限が切れるまでに、保険証の代わりとして使用できる“資格確認書”が自動的に届くので、慌てる必要はありません」(上所さん)

 

今年7月に保険証の有効期限が切れる後期高齢者全員に、保険証の代わりに使用できる“資格確認書”が、1年間限定で送付される。加えて、東京23区のうち世田谷区、渋谷区では、混乱を避けるため、国保の加入者全員に“資格確認書”の送付を決定したばかりだ。

 

今後も、こうした追加策が講じられることが予想されるので、情報のアップデートも心がけよう。誰もがすみやかに保険医療を受けられるために、一刻も早いトラブル解決が望まれる。

 

画像ページ >【グラフあり】医療機関で多発するマイナ保険証トラブル(他1枚)

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