《102万円減額される人も…》基礎年金底上げで受給総額が減る人の「ボーダーライン」
画像を見る 年金制度改革法案の修正で正式合意し、署名する3党の党首(写真:共同通信)

 

■「基礎年金底上げ」以外にもさまざまな負担増の案が!

 

前出の北村さんは、年金保険料に目をむける。

 

「標準報酬月額(4~6月の平均報酬月額)によって、厚生年金保険料は計算されています。

 

現在、標準報酬月額の上限は65万円で、それを超えても保険料は上がりませんでしたが、2027年9月から上限額を68万円、71万円、75万円と段階的に引き上げる方針です。

 

厚労省は、上限を71万円にした場合は年約6万6000円、75万円となると年約11万円も保険料が上がると試算しています」

 

ファイナンシャルプランナーの内山貴博さんは、加給年金制度の変更点に関して解説する。

 

「厚生年金加入者(20年以上)が65歳になると、配偶者が65歳になるまで加給年金として年41万5900円を受け取れます。

 

ところが2028年には加給年金が1割減額される予定です。

 

夫65歳、妻60歳の場合、現行であれば約208万円受け取れますが、改正されると約187万円に減額されます」

 

配偶者と死別した場合、厚生年金の比例報酬分の4分の3を受け取れる遺族厚生年金も、制度が一部変更される。

 

「現在、30歳以上で配偶者と死別すると、遺族厚生年金は生涯受け取ることができ、30歳未満での死別では5年しか受け取れませんでした。

 

しかし2028年からこの基準となる年齢を40歳未満にして、20年かけて段階的に60歳未満まで引き上げる方針です」(内山さん)

 

“100年安心の年金制度”といいながら、延命のための負担増は今後も続くのだ。

 

画像ページ >【比較データあり】底上げ策が年金受給総額に与える影響(1)(他4枚)

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