《道路の水たまり、電線の張り…》台風襲来前に気をつけておきたい「街に潜む“危険な特徴”5つ」
画像を見る 台風の豪雨被害により、汚水があふれたマンホール。水の勢いが激しいとマンホールの蓋が高く吹き飛ぶこともあるので、災害時は近づかないように(写真:時事通信)

 

■飛来物が引っ掛かると電柱は倒れやすい!

 

「まず、傾いている電柱は非常に危険です。特に大地震が起こった場合、地面が液状化すると倒壊の危険度が高まります」

 

また「電線の張りが強い場合も要注意」と武藤さんは続ける。

 

「電柱は縦に細長いため、上部の圧力に弱いです。強風で飛来した屋根、看板、木の枝などが電線に引っ掛かって強く引っ張られると、倒れたり折れたりするケースが多くあります」

 

そして、街路樹の倒木も命に関わる危険の一つ。国土交通省の2023年調査によれば、過去5年間で国や都道府県が管理する道路における街路樹の倒木は、平均で年間約5千200本だったという。うち、強風などの災害による倒木は約3千700本もあったのだ。

 

「実際に枝が落ちて重大事故につながったケースが多々報告されています。腐食がある、空洞があるなど、危険サインを発見したときは、管轄の道路管理者や自治体に連絡してください」

 

2024年9月には、東京都でイチョウの木が根元から折れ、下敷きになった男性が死亡するという痛ましい事故があった。腐食がひどい場合は、台風でなくても危険にさらされる場合もある。注意したい。

 

建造物の外壁タイルなどが落下し、直撃した人が死亡する事故も、たびたび起きている。

 

「外壁やタイルにひび割れがあったり、はがれている、変色がある、水染みがあるなどが危険サインです。しかし、高所は目視が難しいという難点があります」

 

さらに、“インフラの老朽化”の代表ともいえるのが、水道管の劣化だ。水ジャーナリストの橋本淳司さんが、こう指摘する。

 

「上水道の耐用年数は40年、下水道は50年とされています。現在、それを超える老朽管から交換をしているのですが、とても追いつかない状況です。水道管の破損は年間約2万件。1日に数十件起きているという計算になるんです」

 

1月に起きた、埼玉県八潮市の痛ましい道路陥没事故。原因やその対策を検討していた「原因究明委員会」は4日、中間の取りまとめを公表し、陥没の原因は硫化水素で腐食した下水道管によるものだと公表した。水道管が腐食するなどして穴が開けば、その上の土砂が水道管に入り込み、地下には空洞ができていく。それがやがて、道路陥没の原因となるのだという。

 

「しかし、水道管は地下に埋まっているため、目視できません。そのため特に下水道管は、自治体によって『配管の位置がわかる平面図』を公開しています。家の近所でどのあたりに水道管が通っているのか知りたい場合は、これを参考にしてください」(橋本さん)

 

道路陥没の「危険サイン」の中には、目視でわかるものもある。

 

「舗装のひび割れやはがれ、水たまりが消えないなどは、陥没の可能性があります。周辺で水道管工事や漏水が多発しているのも、目安となります」(前出、武藤さん)

 

見慣れた街にも、死の危険は潜んでいる。日ごろから危険をチェックし、台風のときはくれぐれも外に出ないようにしよう。

 

画像ページ >【イラスト解説あり】街に潜む危険サイン(他3枚)

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