「“女性初”が注目されないようになってほしい」異色経歴から地銀“頭取”になった河合祐子さんが語った“願い”
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■物価高を苦しいと思わず楽しんで工夫をする

 

新米をはじめ、食料品の値上げが続くなか、節約を頑張る女性へのアドバイスを聞くと。

 

「私たちの子ども時代に、アイスクリームをはじめ、モノの値段が上がるのは普通だったじゃないですか? その時代から比べても久しぶりの値上げです。

 

子どものころの私は、値上げしたアイスクリームを食べるためにはどうするか? 当たりを探す、母とのお小遣い値上げ交渉など、いろんなことをやったわけです。おいしいアイスを食べるために。

 

今、私たちは、その時代を思い出して、おいしい新米を食べるために何をするか? を、真剣に考えなければいけません」

 

ただ節約志向だけに頭がいくと、それだけが目的になってしまう。

 

「苦しいと言わずに、おいしいお米を食べるために工夫するのは、楽しいこともあるはずと考えてみませんか。

 

今は、隙間バイトも増えています。1日2時間の働き方ができる人もいるでしょう。バイトをして新米を買うことも可能です。

 

働くことには、おもしろいこともたくさんあります。自分の経験も増えたうえにお米も食べられる、と考えてみてはいかがでしょう」

 

株式投資などで収入を増やす手もあるのだが、河合頭取は、「それは、全員が向いているわけではありません。楽しくなければやらなくていいんです。本当に、それぞれでいいんです」と語る。

 

8月、高知銀行は、四国の金融機関で初めて、厚生労働省が認定する、女性の活躍が進んでいる企業として「プラチナえるぼし」の認定を受けた。

 

「高知や社会のために、こうしたら役に立つかな? と、思いついたときがうれしいですし、そのために、県内県外、国内外問わずいろんな人と話をしたり、本を読み、日々成長していきたい。そして、早く、“女性初”が注目されないようになってほしいです(笑)」

 

と、おおらかに笑った。

 

【PROFILE】

かわい・ゆうこ

1964年生まれ。京都大学法学部を卒業後、1987年4月外資系のケミカルバンクに入行。2003年に日本銀行入行。2014年に高知支店長となる。2018年には欧州統括役兼ロンドン事務所長を歴任。その後三菱UFJフィナンシャル・グループの子会社CEOを経て、2023年から高知銀行副頭取に。今年6月に高知銀行頭取に就任。地方銀行では初の女性頭取に

 

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