■中小企業に協力を要請していた吉村知事
当初、こうしたパビリオンの建設は、大手ゼネコンが請け負う予定だったという。
「大手ゼネコンは、こうしたトラブルを見込んで断った。そこで吉村知事と万博協会は中小企業を回って『頼むから助けてくれ』と依頼して回った。にもかかわらず、吉村知事は“民民の問題”と言って突っぱねている。行政の長として責任を取るべきでしょう」(西谷さん)
2023年8月9日、海外パビリオンの建築の遅れを受け、吉村知事はこう語っている。
「改めて関西の中小の建設事業者のみなさんに要請をいたします。やはりパビリオン建設を進めていくうえで、大手事業者だけではなく、中小の建設事業者、設備事業者の確保も課題になっているという声もあがっていることを受けています」
実際に、さまざまな関係団体を通じて、中小企業への呼びかけが行われた。しかし、未払い問題が明らかになると、吉村知事は「未払いは解消されるべき」としたものの、「協会が(工事費を)立て替え払いするというのは法的には私も難しいんだろうなあという風には思っています」(2025年8月5日の会見)と語った。
岸田さんは、憤りを込めて、こう訴える。
「万博協会・大阪府・大阪市・日本政府の連帯責任だと思います。とくに万博協会が掲げている“人権方針”には、〈国際労働機関(ILO)の労働基準に従い、人権侵害が生じた場合は解決に取り組む〉という主旨が明記されています。それならば、下請け業者の声に耳を傾け、まずは建て替えて支払うべきではないでしょうか。弱者を切り捨てて終わりにしないでほしい」
吉村知事は、万博を“成功”に導いた建設業者の声に耳を傾けるべきだろう。
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