事故があった赤坂の「SAUNATIGER」(写真:本誌写真部) 画像を見る

12月15日に東京・港区赤坂の高級個室サウナ店「SAUNATIGER」で火災が発生し、利用客の30代夫婦が亡くなった事故。警視庁は17日に司法解剖を行ったが、死因は特定できなかったという。だがそのいっぽうで、新たに見えてきたことも――。

 

「この火災で亡くなったのは、美容室経営の松田政也さん(36)と妻でネイリストの松田陽子さん(37)。15日の正午すぎ、サウナ店が入るビルの3階部分で『非常ベルが鳴っている』と119番通報がありました。2人は個室の入り口付近で倒れているところを発見され、約1時間半後に搬送先の病院で死亡が確認されました。いまだ死因は不明ですが、一酸化炭素中毒や高体温症の可能性が高いと見られています」(社会部記者)

 

現場検証の結果、明らかになったのは衝撃的な事実の数々だった。

 

まず、サウナ室のドアノブが内側、外側ともに外れ、床に落ちていたことが判明。さらにサウナ室の非常ボタンが押された形跡もあったが、受信盤の電源が切れて作動しない状態だったという。店のオーナーは警視庁の聞き取りに、“一度も受信盤の電源を入れたことがない”と説明していたことも報じられている。

 

店側の不備が露呈したいっぽう、亡くなった夫婦は懸命に脱出を試みていたようだ。

 

「政也さんの両手には皮下出血があり、サウナ室のドアガラスの表面には叩いたような跡が残されていたそうです。また、現場では焦げたタオルが発見されています。火災原因はサウナストーンにタオルが触れたことで発火したとみられていますが、外部に異常を知らせようとした2人が、故意にタオルを燃やした可能性も指摘されています。

 

このほか、壁に設置されていた通風口も一部が壊れて落ちていたそうで、手近な物を叩くなどして従業員を呼ぼうとしていたものとみられています。陽子さんは右の肩から腕にかけてやけどを負っていたそうですが、政也さんのやけどは腕や腰、背中全体の広範囲に及んでいたことも分かりました。

 

政也さんが陽子さんに覆いかぶさるような状態で発見されていたことからも、陽子さんを守りながら助けを求めていたことが窺えます」(前出・社会部記者)

 

夫婦があらゆる方法を試した痕跡が明るみになるにつれ、ニュースサイトのコメント欄では悲痛の声や夫婦の死を悼む声が多数寄せられている。

 

《想像するだけで辛い…》
《我が子のために、奥さんだけでも守ろうと必死だったのでは…》
《被害者の続報が出れば出るほど辛くなる。必死に生きようとした姿が目に浮かぶ》
《最後の最期まで、生きるために必死だったか、奥様を守ろうとして、何度お子さんの事を思ったか・・・ 苦しくなります ご冥福をお祈りします》

 

政也さんは生前、白髪を目立たなくするカラーリング技術の第一人者で、インスタグラムは4万人近いフォロワーを抱える超人気美容師だった。

 

「政也さんは30歳のときに“白髪ぼかし”の技術に出会い、技術を磨いていくなかでフリーに転身しました。独立1年にして“キャンセル待ち300人”の人気美容師となり、事業は全国に出店拡大するまでに成長。真面目さと親しみやすさを兼ね備えた性格で、顧客や美容師たちから厚い信頼を得ていました。

 

1つ上の陽子さんとは以前の職場で知り合い、偶然にも地元や通っていた高校、専門学校まで一緒だったとか。’23年3月に第1子が誕生したばかりで、松田さんはインスタグラムに《いつかこの子がドレスを着るまで生きたい》と思いをつづっていました。残されたお子さんのことを思いながら亡くなったと想像すると、その心情は察するに余りあります」(美容関係者)

 

過去には別室のドアノブが不具合で修理されていたことも報じられている「SAUNATIGER」。奪われた若い夫婦の未来はもう二度と戻ってはこない。

画像ページ >【写真あり】「周囲の幸せを考える人」「後輩思い」「いいお兄さん」サウナ火災で亡くなった松田さん夫妻 (他3枚)

出典元:

WEB女性自身

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