12月18日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する高額献金をめぐって、元信者の娘が教団側に賠償を求めていた裁判で、東京高裁は教団側に約6500万円の支払いを命じた。同じくこの日、’22年の安倍元首相銃撃事件で、殺人の罪に問われれている山上徹也被告の裁判で、検察側は無期懲役を求刑したが、この事件の背景にも、教団に対する山上被告の母親の高額献金問題があった。
そんななか、19日に行われた小野田紀美経済安保担当大臣(43)の閣議後の会見で、フリーの男性記者が旧統一教会をめぐる高額献金問題について突っ込む場面があった。
記者は、「韓国が本部の旧統一教会の高額献金、日本人の国富の海外流出、外国人の迷惑行為だと思うが、これに取り組まない理由は元安倍総理と教団のズブズブの関係が注目を浴びるのを避けるためか」と質問。小野田氏は外国人政策を担当しているため、記者は“外国人問題”として教団の問題を取り上げたかたちだが、小野田氏はきっぱりとこう答えた。
「理由に関しては以前申し上げましたので、自分(記者)が取材した取材の動画をご確認ください」
この記者は11月の閣議後会見でも、安倍元総理の銃撃事件や教団の問題を追及していたのだが、小野田氏は「所管外」として取り合わなかった。小野田氏が述べた「取材の動画」は当時のやり取りを指していると思われるが、記者は「改めて聞いているんですが……」と切り出し、以下のように質問を続けた。
「裁判の区切りを受けて、あの事件をどう振り返って、山上被告の家庭の経済的破綻を招いた、安倍元総理と教団のズブズブの関係について、何もコメントしないんですか?」
眉間にしわを寄せながら質問に耳を傾けていた小野田氏。記者の話が終わると、不満げな表情を浮かべ、「何もコメントはございませんし、この場は私の所管に関すること、省庁の意見を所管の大臣としてお話しする場であり、あなたの意見を語る場ではございません。そのへんは留意ください」と呼びかけていた。
しかし、記者は「外国人担当大臣として外国人の迷惑行為の一種ではないか、ということを聞いているんですが、なぜ所管外なんですか?」と再び追及。小野田氏は「はぁ」と小さくため息をつき、「所管外です。以上です」と突っぱねたのだが、その後も同じような問答が続いた。
「根拠はないんですか?」(記者)
「所管外です」(小野田氏)
「外国人の迷惑行為じゃないですか?」(記者)
「以前申し上げておりますので、しっかり確認してください」(小野田氏)
ここで旧統一教会に関する質問は終了し、次に記者が問いただしたのは、高市早苗首相(64)の「台湾有事」答弁が中国の反発を招き、日本国内の経済、小野田氏が11月の会見で「すぐに経済的威圧をするような国への過度な依存はリスク」と述べていたことだ。
「中国依存からの脱却と言いましたが、中国との関係をさらに悪化させかねない発言だと思いますが、例えばレアアースが輸入停止になった場合の損害額が、いくらぐらい、それに対してすぐ対応できるという根拠を持って質問したんですか?具体的な被害額と、その対応策が十分進んでいるかを教えてください」
これに対し、小野田氏は「具体的な事態に対する仮定の質問にはお答えしませんが、しかしながら、我が国も、世界各国も特定国に依存する事への危機性を認知し、同志国の間でどうやって対応していくかを話し合っています。適切な対応を国としてしっかり行ってまいります」と返答。
記者は、「輸入停止の被害額はご存じじゃないんですか?」と食い下がったが、小野田氏は「仮定の質問にはお答えいたしません」と応じるのみだった。
