「“サードプレイス”が見つかった」大バズリ中の“江戸走りおじさん” 職場で中年の危機に直面…50歳目前で気づいた“人生の転機”
画像を見る 真剣な表情の大場さん(撮影: 木賣美紀氏)

 

■少女マンガをきっかけにできた“初彼女”が今の妻

 

1964年、大場さんは栃木県宇都宮市で生まれ、大企業勤めで地域の顔役だった父と、趣味で反物を織るような几帳面な母のもとに、3人兄弟の次男として育った。3歳上の兄と4歳下の妹がいて、真ん中。小学生の頃から理科が大好きだったが、「体育は5段階評価で“2”だった」という。どちらかといえば「ひとり遊びが好き」なタイプで、インドア派。中学時代はQueenなど、当時流行った洋楽のレコードなどを聴き漁ったという。

 

勉強はできた方だったと言い、中高は県内トップクラスの学校に進学。

 

「早く田舎を出て都会に行きたかったんです」と本人は語り、その言葉通り上京し、理系では国内トップクラスの国立大工学部に進学した。

 

大学で所属したのは演劇部。主に、舞台美術や音響効果などの裏方を担ったそうだ。

 

「役者もやりましたが、周りからは『大根が腐った“たくあん役者”だな』と言われましてね(笑)」

 

「昔からウケをとることが好きだった」という発言の通り、言葉巧みに取材陣を笑わせる大場さん。取材中は紅茶を飲み、チョコケーキをほおばるスイーツ好きな一面も見せてくれた。

 

そして大学在学中、大場さんが20歳のとき、後に妻となる女性と運命の出会いを果たす。

 

「実は、高校時代、精神的に病んでいた時期、妹がたくさん持っていた少女漫画を読み耽っていました。『花とゆめ』とか『マーガレット』をガチで読んでいた“少女漫画オタク”の男子校生でしたね(笑)」

 

暴力的に感じた少年漫画より、絵もストーリーも綺麗な少女漫画のほうが「見てて落ち着いた」という。少年愛漫画の金字塔といわれた竹宮惠子作『風と木の詩』や、宝塚歌劇団の演目にもなった吸血鬼一族の物語の萩尾望都作『ポーの一族』などを愛読したという。

 

「『羽根くんシリーズ』著者の野妻まゆみさんのファンクラブに入っていましたが、それの、今でいう“オフ会”でたまたま隣に座ったのが今の奥さんです。私は男子校出身で、大学も理系でほぼ男子校状態。生まれて20年彼女がいなかったもんですからね。『このチャンスを逃したら一生女性との縁はない』と思って声をかけて、今思えば必死でした。演劇部の芝居の舞台があったので誘ったところ、見に来てくれましてね。『来てくれたお礼に』とご飯に誘ったのが初デート。デートの口実、経験ない割には、結構頑張って頭を使うもんでしょ(笑)」

 

そうして猛アタックの末、交際に発展。大学卒業後しばらくして結婚し、妻との間に2人の娘に恵まれた。

 

「女が3人で、男は自分ひとり。家での私のヒエラルキーは1番下かな(笑)。自分的にはもう『“はい”か“イエス”か“喜んで”』しか返事はないですから。やっぱり奥さんが笑ってる家っていうのは、絶対に家庭が平和。奥さんが怒ると家の中が台風というか、嵐になりますからね。家内安全を考えたら、奥さんがどれだけ気分よくいられるかっていうのはすごく大事だし、機嫌よくいてくれるっていうのは、ある意味、自分にとってもありがたいことですね」

 

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出典元:

WEB女性自身

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