《学歴や肩書きにとらわれず、本気で未来をつかみにいく若者たちの「挑戦の場」》
こんなキャッチコピーを掲げる若者向けビジネススクール「ZOSS SCHOOL(ゾス・スクール)」を展開するのは、東京・豊島区のベンチャー企業「株式会社 グローバルパートナーズ」だ。
「ゾス」とは、同社創業社長で有名実業家の山本康二氏(54)が、かつて取締役を務めた光通信などで使われていた気合の入った挨拶から転じて、仕事に強いコミットメントを示すマインドを象徴する用語として、昨今広がりを見せている。グローバルパートナーズも、そんな“ゾス系”企業として数々のメディアで取り上げられており、SNSでは“昭和的”と敬遠される向きもあるいっぽう、過酷なノルマ設定など、あえて厳しい環境を求める若者には響いているようだ。
同社HPによると、完全無料のスクールでは、成果報酬型の営業活動や体系的な座学を通じて、圧倒的なスピードで成長することも可能だという。昨年に始動したばかりのスクールには、すでに3期生が入校するなど評判のようだが、実は今、スクールの“内部”を撮影した動画がSNSで物議を醸している。
発端は、同社社員の男性が2月上旬、Xで《中途半端な人は周りをも中途半端にしてしまう! エレベーターからやり直せ!》と綴り、ミーティング風景の動画を投稿したことだった。動画では、目標達成率が15パーセントと低く、一時連絡が取れない状況があったというスクール生に対し、投稿者の男性が他の複数の社員もいる面前で「普通にクビ」と宣告した上で、こう詰問していた。
「いてもいなくても変わんなくね? これが許せる世界線がやばいと思ってて、営業マンやってて。普通にクビじゃねと思うんだけど。これ来月も再来月も見るの?もっと稼働時間も増えて、またこの結果出してみ?。どう?俺らの教育コストは。(他の社員が『クビですね』と言ったことを受けて)でしょ?そう思うでしょ?」
この様子は、Xで数万人フォロワーを抱えるアカウントに取り上げられ、瞬く間に拡散。社員のスクール生に対する姿勢が「パワハラ」だとして“炎上”する事態に発展し、以下のような厳しい声が上がった。
《この詰め方になんの意味があるんですか?ほんまにやめた方がいいよ。これをネットにあげるって選択も100%間違ってる》
《クビをちらつかせ、かつ他の人がいる前でこの話し方は非常によくない》
《こんなハラスメントする方が普通にクビ》
《ガチで昭和だな…と。不動産営業やってた頃、立地1件も取れなかった時ですら、ここまで公開処刑みたいに詰められたことはない》
こうした事態を受けて、同社の広報責任者は9日、Xで《この度、TikTok等で拡散されている動画により、皆様に多大なるご心配とご不快な思いをおかけし、深くお詫び申し上げます》と謝罪。《当該動画は、当社グループが運営するスクールにおける生徒様への振り返りの場であり、雇用関係に基づくものではございません》と釈明しつつ、《しかしながら、いかなる関係性であっても、動画内で見られる指導者の感情的な発言は不適切であり、誤解を招く内容となりましたことを深く反省しております》と改めて会社側の非を認め、再発防止に努める旨を記した。なお、スクール生はまだ在学しているという。
今後のスクール運営にも大きな支障が出そうな動画の内容だが、本誌は2月13日、同社に動画公開の意図などについてメールで取材を申し込んだところ、先述の広報責任者から署名つきで以下の回答があった。
――動画を公開した意図は?
該当動画は、ZOSS SCHOOLにおける実践指導の一場面を記録し、公開したものです。当スクールは、社会で即戦力として活躍できる人材の育成を目的とした実践型の教育事業であり、現場でのリアルなやり取りも含めて発信してまいりました。
一方で、動画内の一部表現、とりわけ「クビ」という言葉については、雇用関係にないスクール生との関係性において適切とは言えず、誤解を招くものでした。この点については、深く反省しています。指導の意図があったとしても、その伝え方や外部への発信のあり方に十分な配慮があったかという点では課題があったと認識しています。結果として、不快な思いをされた方がいらっしゃることを重く受け止めています。
――今回の炎上騒動を受けて、スクールの辞退者は出ているか?
スクールは現在も通常通り運営しております。今回の件を受け、あらためて運営側で本来の教育目的と指導方針を確認したうえで、スクール生とも率直に話し合う場を設けました。スクールとして目指していること、改善する点について共有し、相互に認識をすり合わせています。
該当の生徒につきましても、その後も学生イベントに来場したり、通常通りコミュニケーションを取っております。
現時点で、本件を理由とした辞退者は出ておらず、運営停止等の状況には至っておりません。
――再発防止に向けて、具体的にどのように取り組むのか?
私自身がXでもお伝えした通り、現在、必要な見直しは進めています。
当社はこれまでも、参加前に価値観やスタンスを共有し、納得したうえで挑戦してもらう形で運営してきました。立場に関係なく、思ったことは本人に直接伝える。対話の中で成長する。その前提で成り立っている環境です。この姿勢自体を大きく変えるものではありません。
今回の件を受けて、法令遵守を前提として、いまのやり方が適切かどうかをあらためて整理し、必要な修正に取りかかっています。指導者向けのコンプライアンスおよびハラスメント防止研修の強化や、公開コンテンツの確認フローの見直しについても、現在具体的な改善を進めている段階です。
振り返りについてはこれまでも、「事実を確認する」「課題を整理する」「次の具体的な行動を決める」という流れで実施してきました。ただ、動画という形で外部に出た際、その全体像や文脈が十分に伝わらない可能性があることは、今回あらためて認識しました。発信の在り方については見直していきます。
一方で、私たちはありのままをさらけ出すことが誠実さだと考えています。整った部分だけを見せるのではなく、挑戦の過程も含めて公開していく姿勢は変えません。その前提として、法令は当然遵守します。ただし、挑戦を前提とした独自のカルチャーや制度まで均一にしていく考えはありません。厳しさを目的にしているわけではなく、本気で成長を支える場でありたい。その軸はぶらさずに、必要な是正を進めていきます。
画像ページ >【写真あり】「普通にクビ」スクール生を激詰めするミーティング風景(他1枚)
