3月2日に高市早苗首相(64)がXで、関与を全否定した暗号資産(仮想通貨)「SANAE TOKEN」。翌3日には、金融庁が関連業者に対する調査を検討していると共同通信が報じるなど、騒動は拡大の一途をたどっている。
同トークンは2月25日に、連続起業家・溝口勇児氏(41)が率いるWeb3コミュニティ「No Border DAO」が発行。DAOが推進する「Japan is Back」プロジェクトの一環として、意見を収集する「ブロードリスニング」のインセンティブとして付与することが目的とされていた。
しかしトークンの名称だけでなく、プロジェクトの公式サイトでは高市首相の名前やイラストを用いてアピールされていたことも事実。免責事項では《高市氏と提携または承認されているものではない》と記されていたものの、“高市首相の公認プロジェクト”として一部市場で誤認が広がっていたという。
「溝口氏は2月25日に公開されたYouTubeチャンネル『REAL VALUE』の動画で、高市氏との関係を匂わせる発言をしていました。加えて、高市首相の公認後援会を名乗る団体がXで同トークンに共感を示していたことも、誤認を助長させることに。そのいっぽうで、関わった企業は仮想通貨の取引に必要な登録や申請をしていない可能性が指摘されており、金融庁は実態把握に動いているといいます」(WEBメディア記者)
高市首相が関与を全否定したことで、瞬く間に“高市首相の名前を無断で商用利用した”“詐欺行為”と批判が噴出したトークン。そうした事態を受けて、プロジェクトの関係者たちも次々とXで釈明文を発表している。
「SANAE TOKEN」の設計・発行・運営の業務を一任されていた「株式会社neu」の代表者・松井健氏は騒動を謝罪し、“トークンの提案者”と見られていた京都大学大学院・藤井聡教授も自らの立場を説明。藤井教授はプロジェクトの趣旨に賛同したといい、《ボランティアの形で無償で協力してまいりました》《投資や投機を推奨する趣旨ではなく、本件についても特定の経済的利益の獲得や取引を促す目的で関与した事実はありません》と主張していた。
4日には「Japan is Back」プロジェクトのチームも、DAOの母体であるYouTubeチャンネル「NoBorder」の公式アカウントを通じて声明を発表。
《私たちはこれまで、高市事務所ならびに高市総理公認の後援会である「チームサナエが日本を変える」と、neu社を通じて協議を重ね、連携していく方針について双方のSNS等でご報告してまいりました》と切り出し、《しかしながら、高市総理側の発信を受け、コミュニケーションの取り方や認識の共有において十分とは言えない点があったことを深く認識しております》とコメント。
その上で、高市首相をはじめとする関係者やトークン保有者に向けて謝罪し、トークン保有者の保証実施、トークンの名称およびプロジェクトの見直し、有識者による検証委員会の設置などの対応策をアナウンスした。
いっぽう、この声明では“高市事務所や公認後援会と協議を重ねてきた”と説明されていたが、高市首相がXでつづっていた《私は全く存じ上げませんし、私の事務所側も、当該トークンがどのようなものなのかについて知らされておりません》との主張とは食い違いが生じることに。
さらに騒動に拍車をかけているのは、発起人でもある溝口氏の投稿だ。
溝口氏は同日に更新したXで、同プロジェクトが発表した声明の投稿を引用。《まず、高市総理ならびに関係者の皆様、そして本プロジェクトに賛同してくださった皆様に、心よりお詫び申し上げます》と切り出し、こう一文をつづっていた。
《高市総理側の発信を否定する意図はありません》
続く文章では“現時点で最大限できること”として、チームが公表した対応に取り組む必要性を主張。《このプロジェクトの本来の目的はブロードリスニング機能により、ユーザーの声を「国民の声」として政治に届けることを主な目的としていましたが、私どもの至らなさにより混乱を招いたことを重く受け止めています》と反省の弁をつづり、対応の詳細は別途報告する意向を伝えていた。
溝口氏の釈明投稿は545万件以上のインプレッションを記録するほど注目が集まっているが、次のような疑問の声も多数寄せられている(4日18時時点)。
《「高市総理側の発信を否定する意図はありません。」 この一文本当にいらない・・・ まるで自分は悪くない、と言いたげですね・・・》
《高市氏は一切絡んでないと言い、溝口氏側は連絡は取ってた、と言う。まだまだ荒れるね》
《「高市総理側の発信を否定する意図はありません」 これってどうなの? 高市首相サイドはトークンについて関係性を全面否定しているのでしょ。 それでこの言い方だと、何か含みを持たせているというか、匂わせていると言えばいいのか…。お詫びしておきながら、これは失礼な物言いなんじゃないかね?》
《結局、高市さんサイドの誰とコミュニケーションとってたんですかね? そこら辺はっきりさせてほしいですね》
こうした声が相次いでいる背景について、前出のWEBメディア記者は言う。
「プロジェクトのチームや溝口氏が発表した声明では、高市首相の名前や肖像を用いてアピールした経緯や理由はおろか、高市首相サイドの誰と・いつ・どのようなやりとりをしていたのかについても説明がなされていません。
いっぽう溝口氏は、先述した『REAL VALUE』の動画で、『高市さんサイドとは、なんか結構コミュニケーションを取らせていただいていて』と明言していました。金融庁が動き出すという騒動の大きさを鑑みると、説明不足感は否めないでしょう。しかも“高市首相の発信は否定しない”という含みを持たせるような言い回しは、高市首相サイドにも“落ち度や責任がある”という印象を与えかねません。
チームの声明にあったように、実際に高市首相サイドの関与があったのであれば、トークンの発起人として堂々と反論すべきではないでしょうか。曖昧な伝え方によって、高市首相の支持者からも凄まじい批判が寄せられています。十分に説明を尽くさない限り、批判や憶測が広まり続けてしまうのでは」
なお「REAL VALUE」の動画からは、トークンについてPRされていた箇所は削除されている。その理由も現時点では明かされていないが、溝口氏が真相を語る日はやってくるだろうか。
画像ページ >【写真あり】「本当にいらない」と批判が集まった溝口氏の「一文」(他2枚)
