■最終的にはOTC類似薬をすべて保険適用から外す
窓口負担が増えれば、「病院に行かず、市販薬で済ませよう」と考える人も増えそうだ。
しかし、それによる健康リスクを指摘するのが、医師で文筆家の木村知さんだ。
「花粉症だと思って市販薬で済ませていたら、実は似た症状の新型コロナだったというケースもありえます。また、基礎疾患がある人が自己判断で市販薬を飲み続けると、病患を悪化させる危険性もあるんです」
さらに木村さんは、今回の新制度は、「誰もが平等に質の高い医療を受けられる日本の保険制度を揺るがしかねない」と警鐘を鳴らす。
「これまで日本では、効果が認められた薬や治療法は保険適用されるのが基本でした。ところが今後は、効果があっても『使いたければ自己負担で』という流れに切っていく可能性が高い。今回の新制度は、その布石にすぎません。そうなれば、富裕層しかよい治療を受けられない社会になりかねません」(前出・木村さん)
実際に、自維政権は今後、「OTC類似薬の“保険外し”に向けて進めていくつもりです」と明かすのは、前出の本並さん。
「昨年、高市早苗首相と日本維新の会の連立合意を受けて、自維の担当者で行った非公開の会議では、2027年以降、追加負担が必要となるOTC類似薬の品目を段階的に増やし、負担割合も引き上げていくプランが協議されていました。最終的には、OTC類似薬をすべて保険適用から外すことが狙いとみられます」(本並さん)
現役世代の社会保険料を下げるため、という名目で行われる新制度。果たして効果はあるのか……。
「今回の負担増で減る社会保険料は、国民ひとりあたり、わずか400円(月33円)程度にすぎません」(前出・本並さん)
つまり、新制度によって、現役世代の負担は減るどころか、ますます増えるわけだ。本末転倒の医療費削減政策は、改めるべきだろう。
画像ページ >【試算あり】OTC類似薬の値上げの基本計算式(他4枚)
