《緊急事態条項も議題》平日なのに定員の倍以上が傍聴に…憲法審査会に参加した市民が語った切実な不安「戦争が近づいている気がする」
画像を見る 参議院憲法審査会にはたくさんの人が傍聴に訪れた(写真:伊藤愛輔)

 

■「議論を進める必要がある」「現行憲法で対応可能」与野党で議論

 

わずか30席ほどしかない傍聴席は常に満席状態。数十分ごとに傍聴者が入れ替わりながら、人々は時折うなずきつつ、議員たちの発言に熱心に耳を傾けていた。女性の姿がやや目立ち、年代も20代から70代と見られる人まで幅広い。

 

この日、主要議題となった「合区解消」をめぐっては、各党の主張が激しくぶつかり合った。

 

自民党の中西祐介議員(46)は、「合区は投票率の低下を招いている」と指摘したうえで、「憲法を変えてでも、都道府県ごとの代表を守るべきだ」と主張。合区解消を憲法改正によって実現すべきだと訴えた。

 

さらに、「災害などの緊急時に参議院がどう機能するのかという問題も含め、緊急集会や緊急事態条項について、参議院として責任を持って議論を進める必要がある」と述べ、緊急事態条項の議論を進める必要性を強調した。

 

自民党側は「合区解消」だけでなく、その先にある“緊急時の国家運営”まで視野に入れているようだ。

 

「実際、いま国会で改憲論議の中心になっているのは、9条よりも、むしろ緊急事態条項です。改憲派は、災害や戦争など、 “非常時への備え”が必要だと強く訴えています」(前出・全国紙記者)

 

だが、改憲に慎重な側は、「その“非常時”を、誰が、どこまで判断するのか」と強く警戒している。ひとたび「緊急事態」が宣言されれば、議員任期の延長や権限集中が進みかねないからだ。

 

立憲民主党の吉田忠智議員(70)も、この日、「現行憲法には“参議院の緊急集会”という制度があり、十分対応可能だ」と反論。戦前、国家権力が暴走した反省から、現行憲法には緊急事態条項が盛り込まれなかった経緯を軽視して、「拙速に改憲を進めることがあってはならない」と釘を刺した。

 

また、れいわ新選組の奥田議員は、「いま議論されている緊急事態条項は、戦前と極めてよく似ている」と強い危機感を示したうえで、戦時下の1941年に議員任期の延長が行われ、同年には治安維持法も強化された歴史に言及。「政府や戦争に反対する言論は弾圧され、“戦争反対”と口にすることすら許されなくなった」と指摘した。

 

さらに、自身の祖母から聞いたという戦時中の体験を紹介。

 

「『戦争反対って言う人は、どんどん捕まって殴り殺しにされたんよ。そうやって黙らされて、気づいた時にはもう遅かったんよ』――。祖母のその言葉を、私は今でも忘れられません」

 

奥田議員は「国民が諦めて黙れば、政治は暴走する」と述べ、「最後に改憲を止められるのは主権者一人ひとりだ」と、国民による監視の必要性を訴えた。

 

参議院憲法審査会が終了すると、奥田議員は国会前へ姿を見せ、モニター越しに審査会を見守っていた人たちに向けて、こう語りかけた。

 

「憲法とは、本来、権力者を縛るためのものです。いま、日本は“戦争ができる国”へ向かおうとしている。だからこそ、それを止められるのは主権者一人ひとりなんです」

 

5月とは思えない強い日差しが照りつける国会前。集まった人々は、しっかりと耳を傾けていた。

 

奥田議員は今回の傍聴呼びかけの経緯について、「国会には、主権者があまりにも不在だった」と、こう振り返る。

 

「どの委員会も傍聴席が少なくて、しかもガラガラ。委員も緊張感がない。だから、一人でも多くの人に来てもらいたかったんです」

 

今回の呼びかけには400人以上が応募したが、「これから、さらに増やしていきたい」と奥田議員。

 

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出典元:

WEB女性自身

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