昨年12月15日、東京・赤坂の高級個室サウナ店「SAUNATIGER」で火災が発生し、個室に閉じ込められた利用客の30代夫婦が亡くなった痛ましい事故。発生から半年が経過したが、捜査の進展は聞こえてこない。
「亡くなったのは、美容サロンを営んでいた松田政也さん(当時36)、妻でネイリストの陽子さん(当時37)。個室で倒れているのが発見された際、ドアノブが内、外側が共に外れて床に落ちている状態で、ドアガラスには叩いたような痕跡があったほか、通気口も一部が破損しているのが確認されるなど、夫婦は最後まで懸命に脱出を試みていたとみられています。その後の捜査では、個室の非常ベルが鳴らされた形跡があったものの、受信盤の電源が切れて作動しない状態だったことが判明するなど、店側の杜撰な安全管理の実態が次々と浮き彫りになりました」(全国紙記者)
事故をめぐり、特に注目を集めた店の設備が、個室のドアだった。通常、サウナのドアは押戸式だが、この店の場合、L字のノブを回して開閉するドアだったのだ。
「L字のドアノブではなく、ロックがかからない押戸式であれば、たとえ室内で火災が発生しても、最悪の事態が避けられた可能性は高かったと指摘する声は多い。さらに、事故が起こった個室のドアノブは少なくとも過去2回交換されていたほか、別の個室でも内側のドアノブが外れ、利用者が一時的に閉じ込められるトラブルが発生していたことも明らかになっています。なお、店を運営する『SAUNA&Co株式会社』の社長は、創業者である前社長に対して、押戸式に変更するアイデアを伝えたものの、“密閉性が保てなくなる”と聞き入れられなかったとも報じられています」(前出・全国紙記者)
同社の前社長X氏は’22年に店をオープンし、’24年に社長を辞任した後、経営は現社長に引き継がれた。いっぽう、X氏は’17年から別会社を経営していたのだが、店の事故に絡んで、今年2月19日に警視庁が業務上過失致死の疑いで別会社を家宅捜索する直前、ある“動き”があったという。
「X氏は’17年から千葉県内の企業『KUROFUNE&Co株式会社』を経営。主な業務は宝石や貴金属の買取、販売ですが、法人登記簿謄本には経営コンサル業務、不動産管理、酒類販売、外国為替取引業務、コインランドリー運営など、様々な事業が並んでいました。ただ、今年2月10日に社名変更、X氏辞任の変更登記が為されていたんです。KUROFUNE社のHPはすでに閲覧できず、新会社のHPを確認すると、メイン事業は変わらずリユース、販売などですが、変更後の登記簿謄本にはフランチャイズ事業開発などが追加されていました。
実は、KUROFUNE社は昨年11月、訪問買取において特定商取引法違反があり、消費者庁から9カ月の業務停止命令を受けています。SAUNA&Co社はKUROFUNE社の実質的なグループ会社でもあったため、事故後にこうした事実が明らかになると、X氏の管理能力を問題視する声がSNSを中心に多く上がることになりました。社名変更や辞任は、こうした負のイメージを払しょくする狙いがあったのかもしれません」(週刊誌記者)
このように“表”から姿を消したX氏。結局、事故発生から半年が経過した今も説明責任を果たしていないが、どのような胸中でこの日々を過ごしてきたのだろうか――。
画像ページ >【写真あり】Googleマップに掲載された店内と思われる写真に写ったドアノブ(他2枚)
