国会で答弁する小泉大臣(写真:本誌写真部) 画像を見る

「いまご指摘の陸上自衛隊の『別班』といったような組織は、これまで存在しておらず、また現在も存在していません。ドラマは好きですけどね」

 

小泉進次郎防衛大臣(45)は7月28日の閣議後の記者会見で、現在放送中のドラマ『VIVANT』(TBSテレビ系)で描かれている陸上自衛隊の秘密情報部隊「別班」について、過去にも現在にも「存在していません」と明言した。

 

それに対し、元航空自衛隊自衛官で、軍事ジャーナリストの小西誠氏はこう話す。

 

「『別班』については、公的に明確な位置づけが示されているわけではありません。しかし、防衛省内に存在すると考えられています。私の理解では、陸上幕僚監部調査部第二部別室などと呼ばれた組織との関連が推測されますが、もちろん防衛省は『別班』の名称や活動実態も、明確に認めていないのです。よって、存在そのものが、あいまいな組織として扱われています」

 

同ドラマ中で別班は、自衛隊の組織図上では存在せず、防衛大臣も実態を知らない、あるいは存在を否定する部隊として設定されている。情報収集だけでなく、海外での潜入・工作活動に加え、戦闘や暗殺などの特殊任務をこなす様子が描かれているのだ。

 

小西氏によれば、別班組織には陸上自衛隊トップの陸上幕僚長ら将官クラスは関わっておらず、幹部で関わっているとすれば「一佐以下、つまり佐官以下からではないか」という。

 

「情報部門の活動が完全に現場だけで行われているとは考えにくく、少なくとも組織として運営されているとすれば、上位指揮官の了解や共有はあるはずです。しかし、それがどの階級まで報告されているのか、どこまで文書化されているのかは、外部からはわかりません」

 

では、仮に陸上自衛隊内部で別班の情報が幹部まで共有されているとして、それは防衛大臣や政治家まで、届いているものなのだろうか。

 

「陸幕監部まで情報が届いていたとしても、それが政治家や大臣まで報告されているかというと、その点は疑問です。だからこそ、別班を『存在していません』と言った小泉大臣が、本当に知らない可能性も考えられます」

 

仮に、「別班」が存在し、小泉氏が知らないとしたら、別の問題が出てくるという。

 

「シビリアンコントロールの観点からも、問題が残ると思います。情報部隊はミッションを成功させていても表には出ず、何か問題が発生した場合にだけ責任を問われます。そのため、政治家にまで詳細に報告されない傾向があるのは否めず、シビリアンコントロールが十分に機能しているとは言えないと思います」

 

シビリアンコントロール(文民統制)とは、民主主義国家の基本原則であり、政治家が自衛隊などの武力組織を指揮監督、統制するシステムのことだ。

 

「小泉大臣は就任して間もない立場です。今回の質問を受けて、陸自側に説明を求めた段階で、初めて別班について詳しく聞かされた可能性すら、私は否定できないと思います。防衛大臣が制度上のトップとはいえ、別班などの情報活動の現場が完全に見えているとは限らないのです」

 

7月22日、熊本日日新聞は、陸上自衛隊の中央情報隊(朝霞駐屯地)の対外情報部門「現地情報隊」が、大学教授やNPO法人代表など一般市民を対象に思想信条などの情報を収集していたことを報じた。同紙によると、「活動内容は、防衛相をはじめとする政治家や官僚らにも知らされていないとされ」ているという。

 

24日の会見で、記者から「大臣や防衛省幹部というのは、このことを把握していたのか」と問われた小泉大臣。「平素からさまざまな報告は受けている」「必要な情報は報告されている」としたものの、質問には明確に答えなかった。

 

画像ページ >【写真あり】炎天下のなかで『VIVANT』のロケに臨んだ堺雅人(他19枚)

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WEB女性自身

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