■「契約書も着手金も用意する」と言われた
Aさんにセルビア館の空調工事の話が届いたのは、開幕まで約3カ月に迫った2025年1月だった。
元請けは、フランス系イベント会社のGLイベンツ・ジャパン。Aさんは4次下請けとして、「特殊な空調工事ができる業者を探している」と依頼を受けた。
しかし、当時は工事金額も範囲も定まっておらず、Aさんはいったん断ったという。その後、空調工事を得意とする協力会社とともに請け負うことになった。ところが現場に行ってみると、本来、設備工事の後に設置するはずの壁がすでに完成しており、壁を解体して配管し、再び復旧する追加工事まで必要になった。
最終的な工事代金は3,132万円。3次下請けからは「契約書や着手金は着工日までに用意する」と説明され、Aさんは約100万円の空調機器を11台ほど用意した。
だが、契約書は交わされず、着手金も支払われなかった。
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