■GLイベンツ・ジャパンは次の大型事業を
万博の未払い問題を国会で追及してきた共産党の辰巳孝太郎衆院議員(50)は、とくにAさんの元請けであるGLイベンツ・ジャパンを問題視している。
「GL社の未払い問題は一つや二つではありません。元請けを務めたセルビア館、ドイツ館、ルーマニア館、マルタ館の4館すべてで、未払いをめぐる訴訟になっています。争われている金額は総額で約6億7千万円。元請けには、下請けで未払いなどが起きないよう現場を管理・監督する責任があります。それなのに、元請け自身をめぐってこれだけの未払い問題が起きている。そもそも元請けになる資格があったのかということまで検証すべきです」
しかも、問題が解決しないまま、GL社は次の大型事業にも参入している。
「10月から開催される『愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会』に加え、2027年の国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)にも参画しています。親会社GL events SAはアジアパラ競技大会の最上位スポンサーとなっており、協賛金は22億円。日本法人は組織委員会から随意契約の候補者に選ばれ、会場設営・運営など約630億円の大型業務を受注したんです」
さらに辰巳氏が国会で取り上げたのが、GL社と係争中の会社側が裁判で明らかにした、あるやり取りだ。
辰巳氏によれば、GL社側から「いまはお金がないので待ってほしい」と説明され、その理由としてアジア大会が示されたという主張が裁判記録にあるという。
「最上位スポンサーになるための約22億円の協賛金を負担することになっており、いまはお金がない。大会の契約金が入るまで待ってほしい、という趣旨の説明があったと主張されています」
これはあくまで係争中の会社側の主張であり、GL社側の見解と一致しているとは限らない。しかし、仮に万博の下請け代金より、次の大型事業への参入に必要な資金が優先されたのだとすれば、看過できないだろう。Aさんは言う。
「みんなが欲しいのは、働いた分のお金です。万博協会や大阪府が間に入り、誰がどの工事をして、どれだけ支払われていないのかを調べて、まず救済してほしい。その後、責任のあるところに請求すればいいと思います」
この未払問題を放置したまま次の大型プロジェクトへ進めば、同じ過ちが繰り返されるのではないだろうか。
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