今年3月、沖縄県の辺野古沖で船2隻が転覆し、女子生徒と船長の2人が死亡した事故。あれからまもなく半年を迎えようとしているなか、胸を痛める新たなニュースがもたらされてしまった。
事故が起きたのは3月16日。同志社国際高校の沖縄研修旅行で、平和学習を目的としたコース別学習の最中、辺野古沖に出ていた2隻の船が転覆し、乗船者全員が海に投げ出された。
船には18人の高校生と乗員3人の計21人が乗っており、生徒の武石知華さん(当時17歳)と船長の金井創さん(当時71歳)が死亡。武石さん以外の生徒17人のうち16人が負傷した。当時、周辺には波浪注意報が発表されていた。
事故で使用された2隻の船は、新基地建設に反対する抗議活動などを行う市民団体「ヘリ基地反対協議会」が運航していた船だったが、海上運送法に基づく事業登録をしていなかったことが明らかになった。
波浪注意報が発表されるなか、生徒たちを乗せる船として適切な安全管理が行われていたのか――。事故直後から、こうした体制の杜撰さを指摘する声が上がっていた。
同協議会は、事故当日の会見や4月2日のホームページ掲載に続き、4月17日に遺族がネット上で直接の連絡がなかったことを訴えたことを受け、5月1日に対応の不手際を認めて改めて謝罪。第11管区海上保安本部は8月12日、同協議会の関係者宅を業務上過失致死傷などの疑いで家宅捜索している。
一方、事故をめぐっては学校側の安全管理についても問題が指摘されている。
学校法人同志社が設置した外部専門家による特別調査委員会は7月31日、調査報告書を公表。報告書では、学校法人同志社について「明らかに安全配慮義務違反があった」と認定した。
そのうえで、辺野古ボートコースの事前調査、安全性を確保した研修旅行計画の策定・実施、生徒や保護者への事前説明の3点について、それぞれ義務違反があったと指摘している。
そんななか、衝撃的な報せがもたらされた。
8月30日、学校側が保護者に向けて開いた説明会で、研修旅行に関わった59歳の男性教員が8月23日に電車にはねられ亡くなっていたことが明らかになった。報道によれば、教員は事故後、責任を感じて精神的に追い詰められていたという。
「事故後から、ネット上ではこの教員を名指しして責任を追及するような中傷も続いていたといいます。9月2日配信の『デイリー新潮』では、教員が休職を求めたものの、事故についての調査中だったことを理由に保留にされていたという学校関係者の証言を報じていますが、学校側は個別の質問には回答しないとして、この件の詳細については明かしていません。
また、亡くなった教員は、沖縄への研修旅行の企画立案にも深く関わっているベテラン教員で、亡くなった小型船『不屈』の金井船長と面識があったといいます。
今回の事故では、学校側の安全管理だけでなく、船を運航していたヘリ基地反対協議会もその責任を問われ、事故後、批判を受けてきました。事故をめぐって責任を問われてきた当事者が、それぞれどのような立場で事故と向き合ってきたのか。教員の死亡を受け、改めてその経緯にも注目が集まっています」(社会部記者)
本誌は9月2日、同協議会に対し、今回の事故と教員の死亡についてどう受け止めているのか、また、事故をめぐって関係者への批判やネット上での攻撃、二次被害ともいえる状況が広がっていることについてどう考えているのか、メールで質問を送った。
しかし、9月8日現在、回答は得られていない。メールを送った後、電話でも複数回問い合わせたが、電話がつながることはなかった。
事故からまもなく半年。学校や関係団体の責任が問われるなか、研修旅行に関わった教員が死亡するという悲痛な事態も起きた。事故がもたらした影響はあまりにも大きく、誠実な総括が求められている。
画像ページ >【写真あり】「反省してる?」波紋を呼んだ抗議団体の”腕組み”謝罪会見(他1枚)
