■少数与党における国会運営への大きな暗雲
現在、自民党は参議院で単独過半数を割っており、日本維新の会などを加えたとしても過半数に届かない厳しい状況にある。西田氏は、今回の幹事長交代劇が与える国政への影響は極めて大きいと警鐘を鳴らす。
「少数与党という極めて困難な状況下で、他党との交渉を重ね、法案を通す役割を愚直に担ってきたのが石井さんでした。自民党が結束するのは当然ですが、結束したところで数が足りない事実に変わりはありません。そのキーマンを外して、一体誰が今後の法案成立や国会運営を担うというのでしょうか」
秋の臨時国会では、消費税減税法をはじめとする国民生活に直結する重要法案や課題が山積みだ。
「我々も党の足を引っ張るような愚かな真似はしません。しかし、水面下で野党との調整役を失った影響は必ず出ます。誰がどのように他党の協力を引き出すのか、見通しが立たないままでは法案審議そのものが停滞してしまう恐れがあるのです」
■閣僚の問題発言が与えるさらなる打撃
さらに事態を複雑化させているのが、地元自治体への「予算カット」発言で、連日野党からの批判に晒されている簗和生農林水産大臣(47)を巡る問題だ。
「自分を支持しなかったら、予算削減などの不利益を与えるかのような発言は、政治的にも人間的にも大きな問題であり、あり得ない対応です。本来であれば、発言が表面化した段階ですぐさま謝罪し、沈静化を図るべきでした」
参議院で野党が過半数を握る現状では、大臣への問責決議案が提出されれば可決される可能性が極めて高い。
「問責決議が可決されれば、大臣は参議院の本会議や委員会に出席できなくなります。そうなれば農林水産委員会をはじめとする関連委員会が開けなくなり、法案処理や重要な政策議論が完全にストップしてしまいます。大臣の速やかな自発的辞任が必要ですが、すでに手遅れの段階に差し掛かっている懸念もあります」
不透明な参議院人事と閣僚の問題発言という二重の課題が重なることで、参議院での国会運営は一段と混乱を極めると見込まれる。
一部ネット上では、今回の西田氏の一連の発言を“反高市”的な文脈で捉える見方もあるが、本人はこれを強く否定する。
「私や石井さんに対する批判的な見方をする向きもありますが、私は党と国を思うからこそ懸念を表明しているのです。松山会長にこれ以上の説明を期待するのは難しいかもしれませんが、参議院の混乱を避けるために言うべきことは言ってきたつもりです」
最後に西田氏は、今後の姿勢についてこう話す。
「国会審議を滞らせず、国民のための政策を実行していくことが最優先です。今後は状況を静かに見極めながら、自民党のため、そして何より日本のために最善となる判断を下し、行動してまいります」
臨時国会の会期末(12月12日)まで約2カ月。少数与党の参議院自民党の動きが、重要法案目白押しの国会運営を左右する“鍵”となる……。
画像ページ >【写真あり】「国会審議を滞らせず、国民のための政策を実行していくことが最優先」と語る西田氏(他5枚)
