「映画『永遠の0』が公開されます。実は、この作品の撮影中、毎日眠れないくらいすごく苦しかったんですよ。戦争当時の人たちや、実際にゼロ戦に乗っていた人たちに認めてもらえるような作品にしたいという思いがあって。さらに、山崎貴監督をはじめ、スタッフ、キャストみんなで当時の人たちの思いを受け継いで、つないでいくことも意識して撮影をしてきたから」
そう語るのは、12月21日公開の映画『永遠の0』で、主人公・宮部久蔵を演じる岡田准一。原作は百田尚樹のベストセラー小説。太平洋戦争末期、天才的な操縦技術を持つゼロ戦操縦士・宮部を描いた物語だ。
「僕が演じた宮部久蔵は、周りに何を言われても人のために生きることができた男性。ちょっと話が違うかもしれないけど、僕も『あいつはどこを目指しているんだ?』と事務所や世間に言われた時期が……。20代前半のころは年下男子ブームもあって、自分で言うのもなんですが、きれいで繊細なイメージを求められていたと思うんです」
じっさい、岡田にはそういった仕事のオファーも多かった。
「でも、『このまま年をとっていったら、“繊細なおじさん”になってしまうな』と(笑)。それは男としてどうなんだろうと思ったから、もともと好きだった格闘技や武術を真剣にやり始めました。変わるときってしんどいですけど、変わってしまえばラクになるもので、いまは事務所を含め、みんなが認めてくれている……はず」
そのおかげで、アクションに強くなっただけでなく、『永遠の0』のような大人の男を演じる機会も増えていった。
「大河ドラマ『軍師官兵衛』(NHK総合・1月5日スタート)もそう。こちらも、いよいよ始まります。大河ドラマの撮影は大変だと聞いて覚悟はしていたけど、撮影量の多さにびっくりはしてる(笑)。放送が始まったら、さらに追われていくんだろうなと。でも、毎週楽しみにしてもらえるような作品にしたいですし、映画も大河も、同じ時期なので両方楽しんでいただけたらと思っています」