歌舞伎俳優の中村獅童(38)が20日、都内で行われた秋季巡業『松竹花形歌舞伎』の製作発表に登場した。同公演は11月1日の東京・サンパール荒川を皮切りに、同25日の青森県の八戸市公会堂まで16都道府県20会場で行われ、『瞼の母』と舞踊『お祭り』を上演する。スーツ姿の獅童は「いろいろな土地でお芝居をさせていただけるということは非常にありがたいことですし、土地によってお客さまの反応が違うのも楽しいところ。客席と役者とが作る空間が演劇。その土地その土地の皆さんと作り出す空間を、体感していただけたらと思います」と思いを語った。『瞼の母』は叔父萬屋錦之介の代表作で、「いつか、こういう芝居のできる役者になりたいと思っていた」喜びを語り、「セリフの言葉が難しくないし、初めて歌舞伎を見る方にもわかりやすい芝居。若い人に見に来てもらいたいですね」と話していた。また、『瞼の母』は98年に中村勘三郎(56)の舞台で弟分役を演じたこともあり、当時、勘三郎の姉で女優の波乃久里子(65)にダメ出しをされ泣いたといい「今でも『あなたの今があるのは、あの時に私が泣かせたおかげ』って言われるんです」と笑って振り返った。(撮影:小山伸正)

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