『熟女(オバサン)の品格』を上梓した、人気作家の岩井志麻子さん(47)。彼女はその著書で「若い女と“若さ”で競うな」「オバサンであることに矜持を持とう!」と、世のオバサンたちにエールを送っている。
「『美魔女』とか『アンチエイジング』とか、体も心もいつまでも若々しくという世の風潮は、女性にとって苦しかろうと。若い体は期間限定だからこそ価値があるんです。どんなに無理して外見を近づけても、若い子を演じているだけ。いくら若く見られても、カニカマボコはカニじゃないでしょ(笑)」
だが、バブル期に娘時代を過ごした女性のなかには、いまだに勘違いしている人も多いのだとか。婚活に必死な人で、いまだに自分の結婚市場価値が高いと思いこんでいるケースも多々あるという。
「美魔女って絶対にモテへんと思うんですよ。男はもっとナチュラルなほうが好きですもん。『乳たれてて、尻たれててすみません』いうくらいのほうが、相手だって脱ぎやすいでしょ。でも、矛盾しているようだけど、女はいつまでも女。オバサンになっても勝負下着を手放してはならん。女としての緊張感と、心構えが必要なんです」
つまり、女としての矜持を持ちながらも、年齢にあらがうことなく、自然にいきていけばいいということ。「若い男性にチヤホヤされるように華やかな幸せはなくなるかもしれない。だが『妻がいないと、お母さんがいないと家庭が回らない』など、地味だけど地に足がついた幸福がオバサンにはある」と岩井さんは主張する。
「オバサンの心でオバサンの姿を受け入れたほうが、ずっと楽に生きられるんです。といって、オバサン=女を捨てることじゃない。むしろオバサンは女の完成形なんです。何も若い未熟な女のまねをすることはないですよ」