香川照之(46)、市川猿之助(36)の3日目の襲名披露口上が始まる直前のこと。縦8・5㍍、横26㍍、製作費数百万円にのぼるその綿製の祝い幕が披露されると、会場からは拍手が巻き起こった。

「この祝い幕は、私が尊敬する福山雅治さん(43)より贈っていただきました!」
 新橋演舞場の『六月大歌舞伎』開演中の6月7日昼の部、猿之助は口上で深々と頭を下げた。その先には――福山が極秘観劇していたのだ。「2人はこの日、福山さんが来ることを知っていて福山さんも楽屋に挨拶に訪れたそうです」(劇場関係者)

 福山は10年のNHK大河ドラマ『龍馬伝』で香川&猿之助と共演。実は猿之助とは“20年来の交流”が。「当時、高校生だった猿之助さんは『福山雅治のオールナイトニッポン』の大ファンで、亀治郎の名前で投稿したのがきっかけ。初対面は08年末の福山さんのカウントダウンライブ。以来、猿之助は“ましゃ兄”と呼び慕っています」(前出歌舞伎関係者)

 いっぽう香川は、大河共演が決まった当時、こっそり福山のコンサートへ出かけた。
「ステージの熱気に触れた香川さんは、表現者としてリスペクトするようになりました。
 大河の収録では、『香川さんがムードメーカーになり長丁場を乗り越えられた』と福山さんが感謝していました」(テレビ局関係者)

『文藝春秋』7月号で猿之助と対談した福山は2人を冗談ぽくこう評して絶賛している。
「猿之助さんも香川さんも、人が日ごろ抑制している感情を解放させるスピードが速いんですよ。例えて言えば『もう脱いだ』『もう全裸だ』みたいな(笑)」
 この日、監事室から自分にとって“兄と弟”のような2人の熱演を見守った福山。“義兄弟”の絆をさらに深めたひとときだった――。

関連カテゴリー:
関連タグ: