6月22日19時、東京・首相官邸前に集まった人々は口々に、「大飯原発を止めろ!」「再稼働の決定は許せない!」と反原発を叫んだ。16日に決定した福井県・大飯原発3・4号機の再稼働を受けて抗議集会が行われたのだ。

福島第一原発の放射能漏れ事故も収束していない状態にもかかわらず、国がしきりに安全性を強調する大飯原発の再稼働。国民が不安の声をあげるなか、その危険性を指摘する専門家は何人もいる。

変動地質学に詳しい東洋大の渡辺満久教授は、「大飯原発の真下には危険な活断層が走っている可能性が高いのです。活断層が動けば地震が発生し、上の建物は崩壊する。そんな危険な地盤上に原発が建っているなんてあってはならないこと。しかし、そのあってはならない危険性が放置されているのです」と、危険性について語る。

活断層とは、将来的に地震を引き起こすと考えられる「生きた断層」のこと。大飯原発2号機と3号機の間には、「F‐6断層」と呼ばれる断層が走っている。この断層は斜めに向かって地下に潜っているため、再稼働が決定した3号機の真下にも届いている。

これまで関西電力は「これは活断層ではない」と説明してきた。しかし渡辺教授によると、大飯原発の資料を分析した結果、この「F‐6断層」は活断層である可能性が高いのだという。

「関西電力は大飯原発建設の際、事前に地質調査を実施しました。今回、その資料の中にあったスケッチ断面図を見たのですが、驚きました。穴の北側断面に“典型的な活断層”の兆候があったのです。もし仮に関西電力が活断層ではないと考えるなら、調査をしてはっきりすればいい。調査自体は2日あればできるものです。しかし、それをかたくなに実施しないのです」

再稼働ありきの方針ゆえに調査を行わないとすれば、確信犯としか言いようがない――。

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