「先日、しずと会って話し合ってきました。彼女は今後も”ボクシングを続けたい”と思っているようです」と話すのは梅津正彦さん(43)。梅津さんは、女子ボクシングでロンドン五輪出場の夢が叶わなかった南海キャンディーズの山崎静代(33)と、二人三脚で厳しい練習を積んできたトレーナーだ。そんな梅津さんに、しずちゃんの近況を聞いた。

「久しぶりに会ったしずは、おっとりした本来の姿に戻った印象でした。それまではまさに野獣のような迫力があったんですが、その険しさは消えていましたね。本人の頭の中は、まだ”真っ白”という感じです。予選で敗退したところで時が止まっているようでした」

梅津さんは、右脇腹の悪性腫瘍を今年1月に摘出。末期がんと宣告されながらも、しずちゃんの挑戦を支えてきた。予選敗退後も電話やメールで頻繁に連絡を取っていたが、6月中旬、治療の合間にじっくり話す機会を設け、彼女の胸の内を聞いたという。

「いまいちばんやりたいことを聞いたら、しずは『ドイツに行ってあの(最終予選で負けたドイツの)選手ともう一度試合をしたい』と言うんです。それだけ悔しかったんでしょうね」

ロンドン五輪に全身全霊を懸けてきたしずちゃん。だからこそ、まだ次の目標が定まらないのだと梅津さんはいう。大きな喪失感を抱え、いま必死になって切り替えている最中の彼女。だが、再びボクシングに向かい合う準備はすでに始めている。

「脳波の検査でも、まったく問題ないと診断結果をもらいましたし、痛めた膝など体のケアにも取り組んでいます。体幹トレーニングも再開しました」

この取材前日、梅津さんは抗がん剤治療の副作用で薄くなった頭髪をバッサリと剃っていた。病室では、しずちゃんとのこんなやり取りがあったという。

「病室にしずが見舞いに来てくれたとき、僕が『抗がん剤治療の副作用でハゲそうだから、カッコよく全部剃って海老蔵みたいなスキンヘッドにしようかな』なんて笑わせると、『コーチじゃ海老蔵さんみたいにカッコよくなりませんから』ってね(笑)。この頭を見たときの、しずの反応が楽しみです。『海老蔵さんのためにも、もう一度私は頑張ります』、そう言ってくれたら嬉しいですね」

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