6月29日、新橋演舞場での『六月大歌舞伎』の千秋楽。昼の部の『口上』が終わると、浴衣姿で小走りに楽屋口を出たのは、市川中車を襲名した香川照之(46)だ。向かった先は、7月4日から香川が市川團十郎(65)海老蔵(34)父子と共演する舞台稽古場だった――。

「香川にとって、團十郎・海老蔵父子と共演するのは、悲願であり夢だったと思います」 と語るのは、『市川猿之助傾き一代』(新潮社刊)の著者・光森忠勝さん。「香川には5年ほど前から長男・政明(市川團子・8)の歌舞伎界入りが常に頭にあり、海老蔵の妹・市川ぼたん(33)に日本舞踊を習わせていました。その力添えをしたのが、06年に映画『出口のない海』で共演した海老蔵だったんです」

その共演映画の試写会で、初めて歌舞伎座の舞台に上がった香川は涙ぐみながら、「40歳にして、初めて歌舞伎座を歩けました。海老蔵くん、ありがとう!」と感謝の意を表した。「実は、香川さんの悲願を知っていた海老蔵さんが、松竹に『試写会を歌舞伎座でやりたい』と申し出たそうです。2人の交流は続き、2年前の海老蔵さんの結婚披露宴にも招かれています」(歌舞伎関係者)

そしていよいよ、香川と海老蔵は『七月大歌舞伎』で共演することに――。

「歌舞伎役者として、香川さんは7月1日が団十郎さん、海老蔵さんとの初顔合わせ。舞台初日の4日までの3日間で稽古と総ざらいをやります。この3日間で、初めて香川さんは海老蔵さんたちに歌舞伎の稽古をつけてもらうのです」(歌舞伎関係者)

12歳年上の香川だが、歌舞伎界では海老蔵は“大先輩”、しかも市川宗家の御曹司だ。「海老蔵さんはとりあえず、あまり口出しをしない“様子見”でしょう。教えを請う香川さんとしては『自分はどんな恥をかいてもいい』と覚悟を決めているようですが、内心は冷や汗ものだと思いますよ」(前出・歌舞伎関係者)

7月4日の初日、海老蔵の『口上』がどんな内容になるのか、気になるところだ。

関連カテゴリー:
関連タグ: