女子トライアスロン代表の上田藍選手(28)は身長155センチで44キロ。そんな小柄な体で鉄人レースができるのは、人並みはずれた持久力のたまものだろう。母・ひとみさん(53)は早くから娘の才能を信じていた。

「私は、いつかこの子は勝つ。そう思えました。なんの確証もないのにそう思えたんです」

中学では水泳でも陸上でもなかなか記録が伸びず、思いはトライアスロンへ。高校3年から本格的に始めたが、指導者は小柄な彼女に将来性を見出さなかった。高校卒業後、上田は実家を離れ、トライアスロンのクラブがある千葉へ向かった。

「知人と5万円のアパートを共同で借りて、練習の合間にスイミングスクールのバイトをして、生活費にあてていました。収入は月10万円。トライアスロンの猛練習に耐えるには1日6000キロカロリーの食事が必要なので、食費を捻出するのがいちばん大変だったみたいですね」(ひとみさん)

その後、頭角を現してきた上田だが、期待が集まり始めた矢先の日本選手権で惨敗。精神的危機を乗り越え’09年のワールドカップで優勝した。しかし翌年の4月、自転車の練習中に転倒し外部性クモ膜下出血で入院。

「診断名がわかったときは、同じころになくなられた巨人軍のコーチの木村拓也さんが同じ病名でしたから心配で、最悪のことも考えました」(ひとみさん)

だが、入院からわずか6カ月後の’10年10月でW杯2連覇を達成したのだ。そんな彼女に、ロンドンでの期待も高まっている。

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