「中国から帰国して、すぐに入院。2週間くらい病院で付き添いましたが、あの子は私の前では『痛い』『苦しい』はいっさい漏らしませんでした。逆に五輪には絶対に間に合うという信念のようなものを持っているのを、そばにいて感じました」

昨年9月、ロンドン五輪アジア最終予選の中国戦で全治6カ月の大ケガをした、女子サッカー『なでしこJAPAN』の丸山桂里奈選手(29)。つらいリハビリ期間を支えた母・慶子さんが当時を振り返った。

「佐々木則夫監督(54)も桂里奈が手術を受けた翌日、ディズニーのキャラクターで大好きなクマのぬいぐるみの”ダッフィー”を抱えて見舞ってくれました。ブルーの魔法使いのコスチュームを着たダッフィーには『ケガが必ず治りますように』という佐々木監督の愛情いっぱいの”魔法”がかけられていたそうです。あのダッフィーが桂里奈の強い心の支えになったことだけは間違いありません」

苦しくなると、ダッフィーを見て、自ら鼓舞したという丸山。リハビリ中は、時間を見つけては1日に何度もランニングを繰り返した。その執念が実って、一時は絶望視された五輪代表に滑り込んだ。長くつらいリハビリだったが、得たものもあったと慶子さんは話す。

「今年の2月に、大阪の高槻のチームに移籍して、実家を出てからは自炊しているんです。十穀米や豆腐とひじきのハンバーグ、豚肉は疲労回復効果があるからと脂身をとって豚しゃぶにしたり、生のトマトをのせた野菜たっぷりカレーなど、体に優しい食材の研究に余念がないようです。しかも、これがなかなかおいしいんです」

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