日本のアニメ界をけん引してきた「竜の子プロダクション」が創立50周年を迎えた。『マッハGoGoGo』も『昆虫物語みなしごハッチ』も『科学忍者隊ガッチャマン』もタツノコ作品だ。8月8日〜20日、松屋銀座店8階イベントスクエアで設立50周年記念『タツノコプロテン』を開催。名作の設定画やセル画、絵コンテなど貴重な資料約300点が一挙に公開されるのだ。

「父は『世界の子どもたちに夢を与えたい』って、いつも口癖のように言っていました」と言うのは、創業社長・吉田竜夫さんの長女・吉田すずかさん。現在は同社でデザイナー、イラストレターとして活躍している。子どものころはしょっちゅう仕事場の父の机の下で、一緒に絵を描いていたそうだ。

「’62年の創業当初は家のなかに『タツノコプロ』があったんですよ。通いの人、泊まりの人……いろんな人が家に出入りしていて、父と一緒に絵を描いている。父はアニメを作ることを本当に楽しんでいて、いつもニコニコしていました。私が仕事場をうろうろしていても怒られたことは一度もありません」

竜夫さんは娘のスケッチをスタッフに見せて「作品に生かせないかなあ?」などと相談していたという。よくカエルの絵を描いていたというすずかさん。『けろっこデメタン』はそこから着想を得たようだ。

しかし’77年、『ヤッターマン』が大ブームを巻き起こしているころ、竜夫さんは肝臓がんを患い半年間の闘病ののち、45歳の若さでこの世を去った。「家族もスタッフもあまりの出来事にショックが大きすぎて、どうしたらいいのかわかりませんでした」

それから20年以上たってから転機が訪れた。すずかさんの目に『ハクション大魔王』を使ったある広告記事が飛び込んできたのだが……。

「見た瞬間に『かわいくない!』と思ってしまって。おそらく誰かが描き直したものだったんですが、絵に力がなくて。ショックでした」

『もっとうまく描いてよ!』と怒りが込みあげた直後、すずかさんは『私が書かなきゃダメなんだ』と気づいたという。

そうして生まれたのが『よばれてとびでて!アクビちゃん』(’01)。すずかさんはさらに『アクビガール』(’06)や、『マッハGoGoGo』のスピンオフ作品『マッハガール』を発表した。

「世界のファミリーに夢を。父の思いは、弊社の社訓として生きています。これからは、新しい作品やキャラクターもどんどん生み出していきたいですね」と語る彼女の机の上には、笑顔の竜夫さんの写真が飾られていた。

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