27日、都内で、人間国宝に決まった歌舞伎俳優の坂東玉三郎(62)が舞台『日本橋 』の製作発表会見を行った。
同作は、小説家・泉鏡花の代表作『日本橋』を舞台化したもの。大正の東京・日本橋を舞台に、玉三郎演じる主人公の芸者・お孝が恋に葛藤する生き様を描く。
玉三郎が今作に出演するのは25年ぶりで5度目。今回は初めて演出も務める。本作について玉三郎は「ふたりの男とふたりの女を中心にした花柳界の話ではありますが、実はそこを借りて人間の本能と言いますか、煩悩というか、理想というか、そういうものを突き詰めた作品だと思うんです。ですからそこを楽しんでいただければと思います。この10数年間、上演できれば…と思っていました」と意気込みを話した。
また、玉三郎は「女性として良い意味で自意識が薄く、素朴さが魅力」という理由で、太鼓奏者だった元『鼓童』の斎藤菜月(27)を抜擢。女優デビューに斎藤は「玉三郎さんから最初にお電話でお話をいただいたとき、間違い電話だと思いました」と振り返り、笑いを誘った。(撮影:江口明裕)