先月下旬に『60歳からのフェイスブック』(マイナビ新書)という本を出版した今陽子さん(60)。彼女は’67年、15歳でソロ歌手としてデビュー。翌年「ピンキーとキラーズ」のボーカルとなり、『恋の季節』『涙の季節』が100万枚を超す大ヒット。一躍”国民的アイドル”になった。だが、好きなジャズやポップスを歌えるシンガーになりたいと、’72にピンキラから独立。ソロシンガーの道を歩むことになる。

「ソロへの転身は、私の生活を激変させました。独立した当初は仕事は順調で、お抱えの運転手さんがいて、自分のバンドまで持っていました。住まいは9LDKの2階建ての一軒家で、家賃は55万円。いまから40年近く前の話ですよ。それくらい収入があったんです」

しかし、年を重ねるごとに仕事が減り、どん底時代には月の仕事が1本というときも。貯金を切り崩して生活をしていたという。

「当時はにぎやかだった銀座のクラブから雇われママにならないかとか、大金持ちの青年実業家から『すべて面倒をみるから愛人にならない?』とお誘いがあったりもして(笑)。もちろんお断りしましたけど」

22歳のときにトップモデルの男性と結婚したが、結婚生活は3年8カ月で終止符を打った。

「旦那と別れたあと何度も恋愛をしました。私は”恋多き女”ですから(笑)。そのなかには家庭を持った男性との恋愛……不倫もありました。家庭のある男性との恋愛には当然のことながら周りは大反対。泣きながら母(84)からは『そういうことをしてはいけない。逆の立場になってごらん。相手にはお子さんだっていらっしゃるんだから』と言われました」

現在の彼との出会いは20数年前。最初の10年くらいは「寝ても覚めても愛してるという大々恋愛」だったという。けれど彼とはいったん別れて、別の男性との恋愛があった。しかしその男性が病死してしまう。そしてまた、彼と会うようになり、今に至っているという。

「現在、彼とは”恋人以上夫婦未満”の関係で、お互い束縛しないで、会いたいときに会って、お茶を飲んだり、食事をしたりしています。こうした関係は、私にとって、とても心地いいし、なにより楽なんです。彼にとってもそうだと思います。彼とは、どちらかが死ぬまでいまの状態をキープしていきたいですね。彼は年上なので『先に逝くのは僕だ』と言っていますけど(笑)」

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