「7月公演が終わってからの1週間、香川さんはまるで抜けがらのようだったそうです。2カ月間の舞台で喉もかれ、元気な長男の團子くんの様子とは対照的な姿でした」(歌舞伎関係者)
市川中車を襲名した香川照之(46)が長男の團子(8)とともに、歌舞伎デビューしてから3カ月余。6月の初舞台では『私は生涯かけて精進し、9代目中車を名乗る責任を果たしてまいります』と、決意の挨拶をしていた香川。だがそんな彼の“苦渋の肉声”を本誌はキャッチした。
「最近話したとき、彼はこう言っていました。『歌舞伎はもう、やめたいと思っているんです。これ以上やるのは、梨園の方々にも失礼にあたると思う。やっぱり自分は映画俳優としてやっていくべき、と思いました』と――。香川さんは自嘲気味に、『歌舞伎役者としては、自分は息子にも敵わないんですよ』とも漏らしていました。相当悩んで出したのが、“歌舞伎役者をやめたい”という結論だったのでしょう」(香川の知人)
長男・團子は5歳から市川團十郎家に通い、日本舞踊を習ってきた。俳優として評価されてきた香川とはいえ、45歳を過ぎての梨園入りは、あまりに大きいハンディだった。
「頭がいい人ですから、“自分が歌舞伎役者として大成するのは難しい”と見えてしまったのではないでしょうか……」(前出・香川の知人)
だが、すでに香川の来年の公演も決定ずみだ。1月の大阪公演を皮切りに、襲名披露公演は年末12月の京都公演まで続く。歌舞伎役者としては自分の才能の限界を感じた香川だが、歌舞伎への深い愛情は失っていないという。
「昨年12月に香川さんは、猿之助さんを除く一門をまとめるプロダクションを設立し、お父さんの猿翁さんとともに代表に就任しています。製作者や裏方としても、歌舞伎を支えたいという思いも強いようです」(前出・歌舞伎関係者)