「一度ついたウソが変な方向に広がって、とんでもないことになっちゃう。とにかくセリフの応酬が面白くて、再演のとき、スタッフにカウンターで数えてもらったら、1公演で700回も笑いが起きた。大いに笑って、爽快になっていただける自信作です」
そう語るのは、10月18日から11月4日まで、東京『ル・テアトル銀座』にて上演の舞台に出演する黒柳徹子。彼女が年に一度、女優として取り組む海外コメディの舞台シリーズ26作目。今年は、’90年の初演以来「また見たい!」とリクエストが殺到している、ニール・サイモン作『ルーマーズ 口から耳へ、耳から口へ』でステージに立つ。過去には、セクシーな網タイツや特殊メークで”巨乳”になった作品もあった。
「舞台を見てくださった(ファッション評論家の)ピーコさんに『あんた、いいケツしてる!』と言われて、網タイツもいいかな、と。もちろん『お目にかけて大丈夫?』と、演出家さんに相談しました(笑)。今回はパーティの設定なので、衣装はロングドレスですが、ビーズの重さもあって動くのが大変。舞台上の5カ所のドア、その後ろに全部、モニターをつけてもらって、絶妙なタイミングで舞台に登場できるよう、工夫しているんです」
大量のセリフを覚え、機敏に動くパワーの秘訣は?
「本番中は食べすぎると集中できないので、口に入れるのは、糖分補給のための芋ようかんを1個だけ。それと、体の基本はやっぱり足腰ですね。ジャイアント馬場さんに教わったスクワットを毎日50回。それと貴乃花さんがテレビで披露していらした”四股”です。ぐーっと体を30秒、沈めるんです。20秒を過ぎたあたりで『もうダメ〜』と思いながらも、がんばっています」
テレビ歴は50年あまりになる黒柳。かつてはドラマでも活躍したが、現在、女優業はこの舞台のみ。そこにも彼女なりのこだわりがある。
「女優はドラマの役の印象で見られることが多いでしょ。トーク番組の司会者が、たとえば悪女のイメージがあったりしたらおかしいだろうと思って、『徹子の部屋』を始めるとき、ドラマの女優業は封印したんです」
貴重な”女優・徹子”の姿をお見逃しなく!