小池栄子の「うるおいリング」のCMでおなじみ、スキンケアブランド『専科』。CMの最後に”専科プロジェクト開発チーム”の肩書きで登場する渡邊裕子さんが、「キレイ!」「カワイすぎ!」「ホントに研究員なの?」と大評判になっている。

「私がCMに出演することになったのは、いわば『奥の手』だったんです」という彼女は正真正銘の研究員。今年で46歳を迎えた、中3の息子さんを持つ母親でもある。

渡邊さんは大学院を終了後、’92年に研究員として資生堂に入社。結婚、出産を経験しつつ、一貫して化粧品の研究員の道を歩んできた。’08年にスタートした『専科』プロジェクトはこれまでと違い、マーケティングや宣伝など各分野の担当者がチームを組み、一から商品を開発するもの。渡邊さんにとっても異質なプロジェクトだったという。そしてCMでは『奥の手』が……。

「『専科』はまったく新しいブランド。どうすればお客さまに手に取っていただけるか、ブランドのコンセプトを知っていただけるか、チームのみんなで悩みました。そこで最終的に『誠心誠意、商品を作った実際の研究員がCMでその思いを伝えれば、信頼を抱いていただけるんじゃないか』という話になったんです」

もちろんCM出演など未体験。しかし「業務の一環と受け止めた」と、さすが研究者らしい冷静さ。ところがご主人と息子さんも応援に来た撮影現場では、まったく笑えない状態になったという。

「もう、すごく緊張しました! 技術や成分の解説をするのかなと思っていたら、監督さんに『もっと笑って!』『ジャンプしてみて!』と指示され、予想外のことばかり。私って、つくづくこういうのに向いてないなって実感しました。これからも地道に研究員として生きていく決心が固くなりましたね(笑)」

このCMが反響を呼び、商品のヒットにつながったのは間違いない。渡邊さんにも大きな反響が。

「驚いたのは、近所のスーパーの店員さんに『CMに出てますよね』と声をかけられたこと。いつも行くところだったから『これからはちゃんとした格好で行かなきゃ』って思いました(笑)」

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