-「ビジュアル系」の元祖として戦後日本のファッションや音楽といったカルチャーに大きな影響を与えてきた美輪明宏さん。時代の先駆者として自身の「ファッション論」を話してくれた。

「今、ファッションでいちばん求められているのは『美しい色』『優しいデザイン』です。

私が“ビジュアル系”として世の中に出たのが、昭和29(’54)年ですからね。最近、日本もようやく、カラフルで楽しいファッションが流行る時代になってきました。原宿などを中心に、自分たちのオリジナルブランドを作って勝負している若者たちが、注目されています。

でも先日、都内のブティックを見ていたら、黒やグレーなど、くすんだ色の服をメインに売るお店が何軒もありました。これから冬を迎えるという時期に、バカですよ。

冬は気持ちが暗くなるじゃないですか。それでなぜ黒やグレーなの? もう、いろんなことがマイナス思考になっているみたいで、あきれましたね。冬こそ、赤や黄色、ピンクといったカラフルなものを着て、明るく楽しい気分にすべきなんです。

私は、世界の軍隊の制服をすべて、ピンクや赤にしなさいとも言ってるんです。ピンクにしたら、戦う気がなくなるでしょ。ヘルメットにお花をつけるとか、花柄模様にするとか。軍服がカラフルになれば、きっとみんな戦意喪失しますよ」

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