2013年、「40周年イブ」と銘打ち、本格的に再始動する甲斐バンド。その第一弾として、ニューアルバム『ROCKS』発売記念のインストアライブが、1月7日、都内で行われた。このアルバムは『HERO』『安奈』『翼あるもの』『漂泊者(アウトロー)』など甲斐バンドの初期の代表曲を、全曲ニューレコーディングで現代に蘇らせた、いわばセルフカバーによるベスト盤。オリジナルに比べ、力強くテンポのいい骨太なサウンドに仕上がっている。
この日は甲斐よしひろ、松藤英男、田中一郎のオリジナルメンバーに、2人のサポートメンバーを加えた5人編成のアコースティックライブ。オープニングの『テレフォン・ノイローゼ』から3人のギターが自在に暴れ出す。甲斐バンドらしい“泣きのギター”。しかし、決して懐メロではなく、進化を遂げたシンプルだけど力強いリズム。あっという間の全7曲だったが、会場の熱気は最高潮! 甲斐もその一体感を大いに楽しんでいるようだった。
途中のMCでは、友人である雨上がり決死隊・宮迫博之が無事退院したことが本当に嬉しかったと話した甲斐。「出来たばかりのこのアルバムを入院中の病院に届けたんです。退院後、丁寧なお礼状をいただいて・・・・・・なんらかの力にはなってくれたのならうれしいですね」
ニューアルバムの発売に合わせ1月12日から2月24日まで全国7カ所を回るツアーもスタート。甲斐よしひろは今年、年男。4月に還暦を迎えるが、まだまだやんちゃなロックミュージシャンだ。かっこいいオヤジたちの、懐かしくも新しい「大人のロック」に酔いしれたい。
(撮影/河崎文雄)