懲役3年6カ月の実刑となり、昨年3月末に東京高等検察庁に出頭した押尾学(35)。5月6日、彼は刑務所の独房で35歳の誕生日を迎えた。
彼はいま、刑務所のなかでどのような生活を送っているのかーー。
収監1年を前に、本誌は獄中の彼に文書で取材を申し込んだ。そして文書を送ってから1か月半。A4版便箋4枚に綴られた、押尾からの手紙が返ってきた。
本誌が文書で送った質問に、彼は丁寧に回答を寄せた。ここでは刑務所の独房で綴られた『押尾の告白』の一部を公開する。
ーー刑務所での一日のスケジュールは?
「(午前)4時30分起床、5時工場で作業開始、18時過ぎに作業終了。その後入浴。
18時50分ぐらいに部屋(に戻り)、20時55分まで一人の時間。一日の時間が長いけど、とても忙しいから一日が早く終わる感じがします」
消灯・就寝は午後9時という。孤独な夜は長いようだ。
ーー独房の様子は?
「部屋の居室面積は5・7平米。独房。ものすごく古い部屋。トイレが長方形の木のトイレでものすごく臭い。畳もボロボロで虫がいっぱい。洗面台の排水溝から大量の小バエが発生してきて汚い」
劣悪な環境は衛生面だけではない。彼がすごす独房には、もちろん冷暖房もない。
ーー刑務所での作業は?
「体力、気力が一番過酷と言われている炊場工場です」
炊場工場とは、収監されている受刑者の食事を作る土日も休みの無い工場だ。ほかの工場作業に先駆けて、午前5時から朝食作りが始まる。そんな厳しい作業を担当させられているという。
押尾が収監されている刑務所では、夕食後の約2時間が余暇とされている。
ーー余暇の過ごし方は?
「余暇時間は考え事をしたり、ノートにいろいろ書き込んだり、本を読んだり、テレビを見たりしています」
逮捕後、彼には11カ月に及ぶ拘置所での生活があった。このときも独房で、悲しみ、怒り、家族への思いをA4ノートに綴ってきた。「書くこと」は彼にとって日課となっているのだ。
ーー休日の過ごし方は?
「ノートにいろいろ書き込んでいます。あとはひたすら本を読んでいます。職業訓練や通信教育も始めたので、それらの勉強もしています」
《もう芸能界には戻らないので、出所後は、新しいことを始めたい》と収監前に明かしていた押尾。出所後に向けた勉強も始めているようだ。
かつて、彼の公式プロフィールには《身長184センチ 体重78キロ》と書かれていた。
ーー現在の体重、そして体調は?
「(体重)70・4キロ。栄養不足で爪は割れ、冬は霜焼け、たまに立ちくらみを起こしてしまいます。一日の作業時間に対してのカロリーが、まったく足りていない現状です」
彼に下された実刑は懲役3年6か月。まだ自由を奪われた日々は2年以上も続くことになる。
ーー出所したら、まずしたいことは?
「数年間、深い闇の中に沈み込んでしまったから、静かな所で光に当たりたい」
ーー出所後の人生計画は?
「しっかりと次の人生を生きていきます」
収監前は“夢”を語ることも多かった押尾。だが、いまは噛みしめるように、静かにそう綴るだけだった。
09年8月の逮捕劇から、間もなく4年。彼は最後の質問に、こう答える。
ーー事件についてあらためて思うことはありますか?
「いろいろな人に思うことや言いたいことは、いっぱいあります。だけど今は何も言いません」
過酷な生活、尽きない苦悩……。これからも彼はそれを孤独に受け止め続けていくしかない。