11月26日、東京・銀座の博品館劇場で、桜田淳子(55)がデビュー40周年を記念した一夜限りのファンイベントを開催した。22年ぶりにファンの前に姿を現した桜田は、『LADY』『追いかけてヨコハマ』など7曲を歌い、最後は握手会。約2千人の応募のなかからチケットに当選したファン380人を熱狂させた。
「最初は音程も微妙なところが感じられた。特に1曲目は客席にも非常に緊張感があって構えて見ていた。ただ、2曲目のイントロが流れた瞬間、観客から歓声や手拍子が起こり、呼応するように桜田淳子は自分を取り戻していった。かなりのファンが泣いていた。ブラジルのサンパウロから来た人もいた。最後の握手会ではファンにちゃんと対応していた」(参加者の一人)
参加したファンには大好評。しかし、忘れてはいけないことがある。桜田は霊感商法との関わりが取り沙汰される統一教会の信者だということだ。芸能評論家の肥留間正明氏はこう話す。
「ファン感謝イベントだけど、実際には統一教会から脱退していないのだから広告塔と思ったほうがいい。復活するなら本来、ファンへのお詫びから始めなければいけない。霊感商法で多くの被害者がいるわけだから。桜田淳子を応援することは、統一教会の布教活動に加担することにもなりかねない」
霊感商法の被害者救済に取り組む紀藤正樹弁護士も、「霊感商法の被害は’87年から現在まで、1千147億円の相談があります。桜田淳子さんが合同結婚式に出席した’92年以降だけを取っても、764億円にも上る。彼女の広告塔としての効果は非常に大きい」と話す。
統一教会広報部は本誌の取材に、今回のイベントには関与していないと語るが、元信者は、「信者は、上の指示のまま動く。右といえば右、左といえば左。今も信者である桜田さんが、自分の意思だけで開催したとは思えません」と言う。
今回のイベントは、CD購入者がチケットを優先的に申し込むことができ、当選者に配布された。元信者は今回のこの方法に危惧を抱いていた。
「場合によっては、個人情報が統一教会に流れてしまう可能性も考えられる。昔から名簿を集めて、電話や訪問をして、入信に導くというやり方をしていましたから」(CD販売をおこなったビクターエンタテインメントは本誌取材に統一教会との関わりを否定)
昨年、統一教会の創始者である文鮮明氏が死去。兄弟間の跡継ぎ問題が起こった。一部からは桜田の本格的な復帰を望む声も上がっているが、紀藤弁護士はこう警鐘を鳴らす。
「本部である韓国の統一教会は、事実上の分裂状態にある。その影響で、日本の統一教会の求心力も落ちており、資金力が非常に低下している面がある。桜田さんの表舞台復帰は、その求心力の維持と、活動を活発化させる目的だと思う。霊感商法は過去のものではなく、現在も被害が相次いでいます。その広告塔の桜田さんが、復帰イベントをおこなったことについて、礼賛する者がいるとしたら、実態を知らないとしか言いようがない」
(週刊『FLASH』12月17日号)