「カツ代さんは自宅から離れ、施設で長らく療養生活を送っていましたが、最後は身体が動かず寝たきりのような状態になっていました。それでも彼女が創設した『神楽坂女声合唱団』のオリジナル曲がかかると、たまに反応を見せることもあったそうです……」(小林カツ代さんの知人)
1月23日、料理研究家の小林カツ代さんがこの世を去った。享年76。05年8月にくも膜下出血で倒れて以来、療養生活を送っていたが、多臓器不全のため帰らぬ人に。葬儀は、近親者のみで行ったという。
長男のケンタロウ(41)が都内の首都高速道路をバイクで走行中に事故を起こし、約6m下の道路に転落したのが12年2月。重傷を負った彼を妻でフードスタイリストの大谷マキさん(40)が献身的にサポートし続けてきたが、療養生活はまもなく3年目を迎える。
高次脳機能障害を負ったことにより、当初は言葉もほぼ話せず寝たきりの生活だったというが、昨年6月には退院も果たすなど奇跡的な回復をみせていた。だが、今回、彼が母・カツ代さんの逝去に関するコメントを発表することはなかったーー。
「カツ代さんが倒れた当初はケンタロウさんもお母さんのことを支えていたみたいですが、バイク事故以降はそれもできなくなったため、彼のお姉さんが代わりに看護をしてきました。カツ代さんは、ケンタロウさんの事故のことを最後までわかっていなかったようです」(芸能関係者)
事故当時、ケンタロウの実姉は本誌の取材にこう答えている。《ええと、ですね……。母にはまだ弟の事故のことを知らせていないんです。血圧とか上がったりしても大変なので……》だが、カツ代さんの晩年の療養生活について、小林家を知る関係者はこう明かす。
「実は、カツ代さんはクモ膜下出血による脳障害に加えて認知症も患っており、ケンタロウさんの事故のことをきちんと理解できない状態だったそうです。そして今回、母・カツ代さんが亡くなったことは、ケンタロウさんにも伝わっていないでしょう。高次脳機能障害というのは、“記憶できなかったり感情表現も困難になる症状”があり、彼は少し前の記憶も忘れてしまうことがあるので……」
一家が直面した悲劇はあまりに大きすぎるーー。