2月初旬、東京都内の私立中学の入学試験へ長男(12)に付き添ってやって来たのは、元プリンセス プリンセスのボーカル、岸谷香(46)だった。母子が挑んだこの私立中学は、都内でもトップレベルの偏差値を誇る超難関校。

「岸谷さんのお子さんは、この中学を受ける前にも数校、受験されたそうですが、彼女は『この日が本番!』と言っていました」(子供の塾が一緒だった保護者)

 母子が到着して1時間余りたった午前8時半、一斉に試験がスタート。試験は約4時間にわたって実施された。終了後、長男と言葉を交わしながら校門から出てくる岸谷の表情は、緊張から解放されたのか、到着時とは一転、とても朗らかだった。

彼女は、プリンセス・プリンセス解散後の’96年に岸谷五朗(49)と結婚、一男一女をもうけた。子どもたちは2人とも私立小学校に通わせ、英会話や水泳など複数の習いごとに通わせるなど、岸谷は以前から“教育ママ”と呼ばれてきた。

そんな彼女にとって、ここ数年、特に長男の学習塾通いが本格化したこの数年は、長男と二人三脚で受験に向かう奮闘の日々だった。‘12年に1年間限定でプリプリを再結成した際、あるインタビューで彼女はこうこぼしている。
「女って損だなって腹が立つときがある。どっちも中途半端にできないからこの1年半は本当に大変でしたよ」

彼女のブログには、受験ママの喜怒哀楽がストレートに綴られ、それが同世代のママたちから共感を呼び、ときには反感を買うこともあった。昨年6月、岸谷は息子に“ブチ切れ”した事件をブログで報告している。

ある日、岸谷が長男の小学校を訪れたところ、長男の机にくたびれた紙袋を発見。袋の中には、文房具や配布物、そして採点済みのテストが……。岸谷は怒りのあまり、家出をしてしまう、という内容だった。
ほかの日には、《朝からチビゴのテキストの○つけしながら、噴火しました》などといった記述があるように、長男の受験を前に“鬼ママ”ぶりが発揮されている日常がブログから伺える。

 歌手だった岸谷を長男の受験にここまで奮闘させた背景には、以前から彼女が抱いてきた、ある後悔が影響しているのだという。

「岸谷さんの母親は、彼女を超難関で知られる国立大学の付属小学校に入れたほど、とても教育熱心でした。でも、そんな母の期待に応えることができなくて、岸谷さんはずっとそのことを悔やんでいたそうです」(知人)

 岸谷は、12年9月にブログで、こう告白している。
≪付属の学校だったにもかかわらず、私はバンドに夢中で、全然勉強せずに、付属高校に落ちたのよ。ここまでは、よく話す話だが、この先はみんなに言った事はない…実は私は、進学したものの、プリやってたから、大学ってものも行ってなく、いわゆる学歴コンプレックスみたいなものがあったの≫

 こうした自らの後悔と、子供たちにそういう思いをしてほしくないという母心が、歌姫を受験闘争に駆り立てたようだ。長男は第一志望に見事合格を果たした。2月3日のブログで、彼女は喜びを爆発させた。歓喜の瞬間、岸谷は思わず号泣し、長男を抱きしめたという。ママの執念は実った。

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