松山英樹(22)が、米ツアー通算26戦目にして快挙を達成した。メモリアル・トーナメント最終日、松山はケビン・ナ(30)とのプレーオフを1ホール目で制し、米ツアー初V。日本男子の勝利は4人目だが、22歳は日本勢、大会史上とも最年少の記録だった。
「この先10年、いや15年にわたって世界で活躍するプレイヤーの競技人生の始まりを我々は見ているのだと思う」
トーナメントのホストにして、“帝王”のジャック・ニクラウス(74)は、孫といってもおかしくない年齢の若者を絶賛した。だが、ゴルフを取材する現場記者やファンから聞こえてくる松山評はどうも芳しくない。それは、米ツアーでもっとも尊重されるマナーについてだ。
「最終日の18番、ミスショット後に松山はドライバーを地面に叩きつけたが、標識に当たったこともあり折れてしまった。これでプレーオフではドライバーが使えなくなったが、そのことに同情する記者はほとんどいなかった。なぜなら、そうした悪評も一度や二度ではなかったからだ」(民放関係者)
クラブ叩きつけについて大きく報道されたのは、今年3月、キャデラック選手権2日目、13番ホールでのこと。パットを外すとイライラが募ったのかパターヘッドをグリーンに叩きつけた。
その様子を目撃した、後続組のイアン・ポールター(38)がツイッターで、「なぜマツヤマはグリーンにクレーターを残したままなのか。バカだ!」と呟く。すると、彼のツイッターには「あなたの言うとおり」との意見が多く寄せられ、一瞬にしてマツヤマにはダーティーなイメージが定着してしまった(翌日、松山はポールターに謝罪した)。
それ以前にも昨年7月の全英オープン3日目にはスロープレーで一打罰則のペナルティ。だが彼は悪びれることなく「納得していない」と言い放った。また今季開幕戦、昨年10月のフライズドットコムオープンでもデービス・ラブ3世(50)からグリーン上で「ボールを置く場所が違う」と指摘され、ルールトラブルになった。
しかも松山バッシングは、日本人記者が中心というだけに穏やかではない。ゴルフライターが語る。
「テレビと我々ペンの取材では、表情がまったく違う。テレビは映像として残るので、表情も穏やか。でも、ペン取材となると表情は一変する。明らかに不機嫌になって、めんどくさそうに答える。質問が気にくわなければ『ハイ、次』と勝手に質問者を変えてしまうこともある。メディア嫌いで有名だが、20歳そこそこの選手が、そこまでやるのは見たことがない」
英語力にも疑問の声があがっている。松山は昨年末、通訳兼マネージャーとして米国人のボブ・ターナー氏と契約。彼はヤンキースのイチローの通訳、アラン・ターナー氏の父である。
「英語はターナー氏に頼りっきり。話せなくてもラウンド中は関係ないと思われがちだが、松山はなにかと問題の多い選手。プレーに関して競技委員とやり取りすることも出てくる。そんなとき、いまの語学力では心もとない。それでなくてもメジャー制覇を宣言しているんだから、もっと勉強したほうがいい」(前出・スポーツライター)
松山は1週間の休養を経て、12日から始まる全米オープンに挑む。今季メジャー第2戦にやってくるのは、さらに目の肥えたメディアやファンだということを、松山は肝に銘じておかなければいけない。
(週刊『FLASH』6月24日号)