「こじんまりした店がひしめき合うこの商店街の、ど真ん中に大きな建物を造るっていうんだから、何だかもったいないっていうか、正直言ってかなり違和感があるよね」と言って、ため息をつくのは、東京都内にある人気商店街に店を構える男性。
 
工事現場に掲示されている建築計画によれば、敷地面積は約60坪、完成すれば高さ約20メートルの4階建てで、延べ床面積は、合わせて約500平方メートルにもなる。“建築主”はA社。占い師・細木数子(76)がオーナーを務める有限会社だ。

 もともと細木は、この地に2階建ての瀟洒な和風建築の自宅を構えていた。前出の男性によると、彼女は隣にあった路地に面する古い商店の土地も買い取って、新築を開始。近辺では不安とブーイングの声が上がっているという。別の商店主も困惑しきりだった。

 この数年、この地域は観光客も増え続けている。特に細木が建築中の横丁は、希少価値もあり、特に地価も上がっているという。不動産業者は「そのあたりは、まとまった土地が売りに出されることも少ないですから、(細木さんの土地は)坪単価380万円以上になると思います」と語る。つまり、60坪だと土地だけでなんと約2億3千万円!

「上物も鉄筋コンクリートで4階建てだとすると、1億円以上でしょう。物件としては土地・建物合わせて3億5千万円。建物を凝った造りにすれば、4億円以上になることも十分考えられます」

 テレビから消えて、6年以上もたつ細木だが、実はその経済力はますます強まっているようだ。細木の『六星占術』は、人間を6つの運命星にわけて、その性格や運命を導き出すというもの。生年月日さえあれば、災厄の時期である“大殺界”も言い当てることができるという。その“大殺界ビジネス”は、いまも絶好調だという。

「京都と東京それぞれで、月一回ずつ、細木さんによる勉強会が開催されています。参加費用は1万円もするのですが、会場には毎回100人以上の人々が集まっているのです。勉強会出席者は、細木さんに、先祖供養をしてもらったり、家の方位を占ってもらったりすることもできるのですが、それぞれ別に高額な費用がかかるのです」(宗教に詳しいジャーナリスト)

衰えることを知らないかに見える細木パワー。来夏に予定されている“大殺界御殿”完成後には、東京再進出も始まるのだろうか――。

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