脚本家・倉本聰が、各分野の第一線で活躍する人をゲストに迎え、その子供時代から現在までの歩みを聞く『みんな子どもだった』(BS-TBS・日曜午後11時〜)が人気だ。しかられた経験、苦しかったこと、家族の話、爆笑の失敗談……大御所と呼ばれる人たちの素顔が垣間見える、ライブ感あふれる対談番組。

「番組のテーマは“原点”。子供時代を語ってもらうと、その人の原点に戻れるんですよ。ただ、有名人というのはインタビュー慣れしている部分もあります。つまり、何かを聞かれたとき、その人の中で語る内容に、すでにパターンができている場合が多い。そこをいかに崩して、新しい面を引き出すのかが毎回の課題ですね」

 この日は、作家・夢枕獏氏との番組収録を終えたばかりだった。

「みなさん、話が弾むんで、事前に読んだ資料の内容の半分も、使いませんでした。資料が必要ないということは、話が面白いんですよ。夢枕さんと僕とは『魚釣り』という共通項があって、どちらが大物を釣ったか、なんて話になりました。『負けた!』なんて言う瞬間に、素顔が出ますね(笑)」

 互いに多くのドラマ作品を執筆し、しのぎを削った脚本家の山田太一氏がゲストに登場したことも。その際は、多くのファンから「奇跡の対談」との声が寄せられた。

「もともと山田さんと僕は、向田(邦子)さんも含めて3人でときどき会ったりしていました。わりと気が合うんですよ。でも、言ってみれば商売敵だからね(笑)。番組で話すというのは、いい経験でした」

 倉本さん自身も、ふだんBSの番組を多く見ているという。テレビ界の大ベテランが感じる、BSの魅力を聞いてみた。

「今の地上波は、お笑い芸人やアイドルがたくさん出て、騒がしい番組が多い。対してBSは、落ち着いて楽しんでほしいという姿勢があります。テレビというと視聴率の話になりがちですが、今、本当に好きな番組は録画することも多いから、必ずしも視聴率だけで番組の魅力は測れないでしょう。この番組も、僕は『有名人だから』『注目されているから』という理由で、出てもらおうという気持ちはない。それよりも内面をさらけ出してくれる人、時代と個人の体験があやなすような話をしてくれそうな人に出てもらいたい。それができるのが、BSの力だと思うんです」

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