「僕が演じる信乃は、いろいろなことに不満を持ち、やっていることと思っていることが矛盾していて、自分のなかで整理がついていないんです。常に悩んでいる役なので、それをお客さんに伝えるにはどうしたらいいのか……。今は日々葛藤している段階です」
そう話すのは、舞台『里見八犬伝』の開幕を数日後に控え、緊張感の高まる稽古現場にもかかわらず、「『女性自身』の取材かぁ〜。今日は僕の密着だから『賢人自身』かな!」と笑いながら、記者を迎えてくれた山崎賢人(20)。
今回は舞台初挑戦にして主演という大役。稽古が始まると表情は一変、真剣に殺陣と向き合うまなざしからは、初舞台にかける強い思いが感じられた。
「とても仲のいい現場です。皆、僕が初舞台ということで気を使ってくれます。村井良太さんには『何かあったら、何でも聞いてね』と言っていただいたり、石垣佑磨さんには、首の調子が悪いときに相談をしたら、こうしたらいいよと具体的に教えていただいたりしました。深作健太さんも愛のある演出家さんで、自ら演じて見本を見せてくれたりします」
2015年のNHK連続テレビ小説『まれ』では主人公・津村希(土屋太鳳)の同級生で、輪島塗の職人を目指す紺谷圭太役を演じる山崎。舞台と並行して『まれ』もクランクインしている。
「(『まれ』での苦労は)たくさんありますが、方言はそのひとつですね。方言の勉強は新鮮ですが、やっぱりその土地で長いこと育ってきた人たちが発する言葉なのに、こんな短期間で同レベルまでもっていけるのかということが心配です。最終的には、方言でアドリブができるくらいになりたいです(笑)」
そんな、多忙な毎日を送る彼の息抜きとは?
「音楽を聴くことです。銀杏BOYZが好きでよく聴いています。中学のころサッカー部に所属していて、そのときのコーチがいろんな音楽を教えてくれたので、それがきっかけで音楽が好きになりました。音楽を聴くと、どんなに煮詰まっていても、頭に流れる空気が変わってリフレッシュできるんです」