「バルセロナ入りした羽生選手は、やっと激突事故のトラウマを克服したのか、とても晴れやかな表情で、吹っ切れた様子でしたね」(フィギュア関係者)

スペイン・バルセロナで開催されたグランプリ・ファイナルで優勝。見事な“復活の舞”を披露した羽生結弦(20)。中国杯は激突で負傷、次戦のNHK杯でも満足な演技ができなかった彼だが、それでもグランプリ・ファイナル出場が決まってからは闘志満々で練習にも一段と力が入っていたという。

「羽生選手のこれまでの大会前の練習量は、トレーニングとリンクでの練習をあわせて1日3時間ほどでしたが、ファイナルに向けて5時間以上に増やしました。これは異例ともいえる長さです。それだけの練習量をこなせたのは、体調が戻った証しともいえます。また、最大のライバルと見なしていたフェルナンデス選手に“勝ちたい!彼よりもっと練習しなくちゃ”との思いも強かったのでしょう」(前出・フィギュア関係者)

スケート関係者は「NHK杯までは『どこか心の中に迷いがずっとあった』と漏らしていました」と振り返る。2戦とも不本意な成績だっただけに、羽生はファイナルへの出場を諦めていたという。それが奇跡的に滑りこめたことで、羽生は“人知を超えた幸運”を感じたようだ。

「羽生選手は『見えない力が、僕の背中を何度も押してくれた。“ユヅ頑張れ!お前は五輪チャンピオンだぞ!”って励ましてくれている』と漏らしました。負傷により、演技できないと思っていた中国杯では、ドクターからゴーサインが出た。そのフリーで、5回も転倒したのに2位になれた。NHK杯でも、衝突の恐怖に襲われて満足な演技ができなかったのに、ファイナル出場権を手に入れました。それもこれも『僕にはスケートの神様がついているから』だと信じるようになったみたいです」(前出・スケート関係者)

こうした信念を胸に、羽生はバルセロナのリンクに立ったのだ。25日からは、全日本選手権が開幕する。“スケートの神様”に愛されたユヅの闘いは続く――。

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