「僕にサラリーマンの経験はありませんが、中間管理職って、生き馬の目を抜くなかで、嫌でも頭を下げなきゃいけない。いろいろあるなと、海老名を通して実感しました」

 全話視聴率20%を超えたドラマ『ドクターX~外科医大門未知子~』(テレビ朝日系・木曜21時)。いよいよ最終回を迎える。「見ているとつい顔が弛む」「一見すると怖いけど、気の小さいところが憎めない」と人気なのが、上には弱く下には強い、遠藤憲一が演じる海老名敬教授だ。
前シリーズで主人公・未知子(米倉涼子)が手がけた難手術の執刀医として評価され、「国立高度医療センター」戦略統合外科の外科部長に出世。海老名は部下から「御意」と言われる立場に上り詰めた。最終話の撮影中、個性派医師を演じる遠藤に、超ヒットドラマの撮影秘話を聞いた。

〈1 海老名の“生みの親”は蛭間病院長!?〉
蛭間病院長(西田敏行)にへつらう「御意三兄弟」として登場する海老名。
「最初は、未知子に『顔が怖い~』と言われて、海老名は怖いキャラでいくのかと思っていました。でも西田さんにイジられて、ヘビににらまれたカエルのように、西田さんの前では自然と弱腰になって。そしてダメダメ人間の今の海老名が誕生したんです。だから、海老名の生みの親は西田さんですね(笑)」

〈2 海老名の好演の裏に、妻からのダメ出し!〉
「僕がずっと気をつけてきたのが、“ダメキャラ海老名”をやりすぎないこと。この度合がいちばん難しくて。マネージャーもしている妻から指摘されたこともありました。今回の1話目を見て『少しキャラ出しすぎじゃない?』とダメ出しされたんです。でも、その後、見直してもらったら、今度は『大丈夫』って。そうやって振り回されたりも……(笑)。
先日、コンビニで外国人の店員さんが、片言の日本語で、『ドラマの人だ!』と、声をかけてくれたんです。『おもしろい?』と尋ねたら、『怖い!』だって(苦笑)」

〈3 覚悟していた海老名の「クビ」〉
 白熱する東と西の医局の対決では波乱の連続。
「『西』の談合坂さん(伊武雅刀)からはじまり、双葉さん(マキタスポーツ)と、代表格がどんどんクビを切られて変化しましたよね。僕も台本を読んで驚いていました。『東』の足柄君(高橋和也)も、いきなりクビ切られてるし!僕もいつかそうなるのかと思ってました。だって、役にたたないでしょ、海老名って。オペすれば失敗するし(笑)。よく最後まで残りましたね」

〈4 オペシーンのリアルさにあった米倉のこだわり〉
「涼子ちゃんでいちばん印象に残っているのは、やっぱり手術のシーン。未知子の手先です。撮影では、手術は真似だけでごまかすこともできるんです。でも涼子ちゃんは針を通したり、切ったり縫ったり実際にやっている。きっと自分のなかのイメージで、ちゃんとしたリアルを表現しようと思っているんでしょうね」

〈5 最終回の見せ場は未知子が初めてみせる表情〉
米倉の役作りにはオペシーン以外でも感嘆していると遠藤は話す。
「オペと、麻雀などふだんのくだけたシーンのメリハリもすごい。未知子は相手に正対せずに、常に動いていて、こちらがしっとりとした台詞のボールを投げたとしても、まったく違う場所からポンと台詞を打ち返してくる感じかな。本当に“失敗しない女”大門未知子として、とても高度な演技をしています。涼子ちゃんはマジメな話をすると嫌がるから、こういうことを本人に言ったことはないんだけどね(笑)。ラストは、未知子のこれまで見せたことのない感情表現が最大の見せ場かも。特に神原さんとのやりとりは、僕自身も視聴者として楽しみにしてるんです。
人気もすごいですよね。僕たちはもらった役を演じていますが、シリーズごとに人気を上げていくのは、脚本家、プロデューサーはじめスタッフさんたちの力。最後まで楽しんでいただきたいです」

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