二枚目のいでたちながら、オタク気質な大学生役を演じていたり、あるときは妖艶な女装姿でさらりと役を演じきるなど役柄の振り幅の広い実力派俳優、安田顕(41)。’15年は、すでに複数の映画作品への出演が決定しているなど、その演技力に注目が集まっている。現在、放送されているドラマ『問題のあるレストラン』(フジテレビ系)では、女装癖のあるパティシエ・几ハイジ役を演じる。
「女装する役柄には、ご縁があるのかなって思います(笑)。一人舞台のときも女性の題材をやったり、映画『小川町セレナーデ』でも女装役をやったり。今回のオファーは僕の作品を見る前から決まっていたみたいで驚きました。どこにそういう素養が見いだされたのかなって。至ってノーマルなのに(笑)」
’96年に大学時代に在籍していた演劇部で一緒だった大泉洋らと演劇ユニット「TEAM NACS」を結成。その後、解散、再結成を経て、’98年に大泉がレギュラー出演していた北海道テレビの深夜バラエティ番組『水曜どうでしょう』に「TEAM NACS」のメンバーとして出演し、のちに同番組のマスコットキャラクター「onちゃん」に扮したことで大きな人気を集めるようになった。
「僕にとって『TEAM NACS』は非常に大きな存在です。俳優になったきっかけでもありますし。メンバーそれぞれキャラクターの強い人たちなので、彼らの中で自分がどのポジションについて、かぶらずにどんなキャラクターでいられるかということをいつも考えていました。その経験は、今の現場ごとの集団においてもかぶらない術として役立っていますね」
“演じる”こととは、俳優としての活動だけではなかった。
「僕は札幌だったから、俳優だけで食べていくのは無理。だから、企画を出したり、キャラクターの中に入って活動したり、レポーターになったり。なんでもやらないといけないのが地方。そのときそのときでそのものを演じている自分がいたと思いますね」
そんな、安田にとっての原動力とは?
「他人へのやっかみは大きい。畜生っていう感じは結構もっています(笑)。やっぱり、ふつふつと湧き起こる『なにくそ』って思いで踏ん張ることはありますね。取材のときに、大泉洋って、彼の名前が出ることありますが、彼とは同志であり、またひとつ頑張ろうと思わせてくれる存在のような気がします」