「漫才協会はたぶん、挨拶に来て、入会金を払えば入れます(笑)」と語るのは、漫才コンビ・ナイツの塙宣之。ナイツが漫才協会に入って今年で13年、塙が理事になってからは8年が経つ。
そんな彼が相方の土屋伸之と一緒に、生で見て面白い漫才協会の漫才師を教えてくれた。なんでも、面白い漫才師を紹介する際には、ちゃんとしたAコースと、ふざけたBコースがあるということなので、もちろんBコースでお願いします!
【すず風にゃん子・金魚】
塙「いちばん有名なのは、金魚師匠のゴリラのモノマネ。これを生で見てほしい。上野動物園が休園日のときは、もうぜひこちら(浅草フランス座演芸場 東洋館)で。秀逸ですね。頭ひとつ抜けてますよ。今どき、あんなに全力でやられる人ってなかなかいない。だから、迫力もある」
土屋「“年金をもらっている女性の、本気のゴリラ”っていうのが、すごいことだと思いますね、あらためて(笑)」
【ザ風林火山】
塙「鳴り物入りで、5〜6年前に入ってきたんです。大衆演劇の人なので、漫才協会の舞台なのに、いきなり芝居が始まるという。夫婦2人なんですけど、漫才協会非公認の娘が勝手に舞台に上がってしまって、たまに3人になっているときがあります」
土屋「おひねりに命をかけてるんで、いちばんもらえる方法は何かって考えて、ある日、娘を連れてきたんです。娘に子供の役をやらせて『お前、本当はおとっつぁんの子供じゃないんだよ』『本当のおとっつぁんはどこにいるの?』って客席でいちばんお金を持ってそうな人を指して、『あの人だ!』『おとっつぁん!お小遣いちょうだい』って言わせるために」
【新山ひでや・やすこ】
土屋「一見、普通の夫婦漫才ですけど、この間、ひでや師匠がカツラをカミングアウトしたので、ぜひ、生で確認していただければ(笑)。けっして脱がないとは思いますけど。それと今、すごくキテるのが『最高!最高!』っていうギャグですね。僕が競馬番組で共演しているAKBのこじはる(小嶋陽菜)なんかも『最高!最高!』ってやり始めてるので、そういう意味では、『ネクストブレイク芸人』として、ひでや・やすこ師匠を推しますね(笑)」
【ジョーカー】
塙「いちばん若いほうなんですけど、なかなかの心臓の持ち主なんですね、この2人。やっちゃいけないことばっかりやるんですよ。師匠も『あいつら何なんだ?』って感じだったんですけど、やり続けるうちにファンがついて、お年寄りにもめっちゃウケるようになってきたんです。師匠も『じつはジョーカー、すげえんじゃねえか?』みたいになってきて。今はけっこう注目株。見ててドキドキしますけどね。司会をさせれば『師匠がもうすぐ死にます』とか、そんなことばっかり言って」
土屋「普通にイヤなヤツみたいに聞こえる(笑)。でも、お手伝いとか率先してやってるんですよ。そういうところもずっと見られてるから、師匠たちの評価はどんどん高くなってますね」