「だんだんと物が増えて、家が手狭になってきたから、彼(石坂浩二さん)がアトリエに住むと言いだしたので、自然と別居することに。ときどき私が掃除しに行ったりもしていたけど、まぁいろいろと邪魔しちゃいけないでしょ?私は感情的にならず、物事を俯瞰で見られるほう。だから、私たち、あれだけキレイにお別れできたんですよ(笑)」

 そう語るのは、隔週連載『中山秀征の語り合いたい人』第38回のゲスト、女優の浅丘ルリ子さん。日活映画が大好きな中山が理想の女性だと言ってはばからない浅丘さんとの初対談は、あっという間に時間が過ぎていきました。今年で芸能活動60周年を迎える浅丘さんとのぶっちゃけトーク、スタートです。

中山「おせっかいな話ですが、結婚30年で区切りをつけなくてもよかったのでは……。離婚会見はご一緒にやったんですよね」

浅丘「記者会見を別々にやると、こっちがこう言った、あっちがああ言ったと、話が食い違う。それが嫌だったんです。記者の質問は彼に集中していたのですが、彼は『彼女は女優さんだし、両親の介護をさせるのは忍びない。ちゃんと見てくれる人がほしいんです』と会見を乗り切った。私もうまいこと言うなぁと感心しましたけどね(笑)。私は翌日、仕事の移動で飛行機に乗ったのですが、乗客が開いているスポーツ新聞にデカデカと私とへいちゃん(石坂浩二さん)の写真が……。『やめて〜!』と思いながら、ずっと下を向いていたんですよ(笑)」

中山「離婚会見を2人並んでやるのって、珍しいですよね?」

浅丘「でも、一緒にやってよかったと思います。私たちはけんか別れでもないし、いがみ合ってもいないし、お互いに普通に好きでしたから。『もう二度と顔を見るのも嫌だ』ということではないんです」

中山「離婚後、別の場所で会ったことは?」

浅丘「離婚して15年たちますが、市川崑さんのお葬式で1回会っただけなんです。会わないもんなんですねぇ。私は独り者なので、電話くらいしてくれてもいいのにと思っているんですよ(笑)」

中山「それでは、『女性自身』を介して『お元気なの?連絡ちょうだい』と、お伝えしましょうか(笑)」

浅丘「私は今までお付き合いしてきた人たちと、いがみあって別れたことがないんです。なんとなく疎遠になっていくので、『これでお別れよっ!』とドラマチックに別れたこともない。今の人が終わったら、自然と次の人へいく。別れた人たちを恨んだり憎んだりしていないから、相手を傷つけたり、ダメージを与えたりしようと思ったこともないんです。私が唯一自慢できることって、そういうところかなぁ……」

中山「恨んだり憎んだりする分、自分に返ってきちゃうってよく言うじゃないですか。浅丘さん自身が浄化作用をお持ちだから、周りにいい人たちがいっぱい集まるんですね。浅丘さん、恋はし続けます?」

浅丘「し続けます!恋をするのに、年齢は関係なし、『私、年だから』っていう人には、『あんた!そんなこと言ってると、すぐに老けるよ!』って叱りますね。『私はいつもキレイ、大丈夫』って思わなきゃ」

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